奈良・海龍王寺|旅行・留学の安全祈願、般若心経の写経発祥のお寺
「不退寺」参拝後、徒歩で「海龍王寺」へ

6月の蒸し暑い日中、人通りもなく、コンビニやお店も見当たらない細い住宅街を進みました。
「道を間違えたかも…」と不安になった時、案内看板を発見!
看板に従って進むと、「春日社(旧・海龍王寺の鎮守社)」に到着。
鳥居の先の社殿には鍵がかかっており、参拝できるのは毎月1日と15日のみとのこと。
入口で手を合わせました。
途中には紫陽花の花が綺麗に咲いていました

春日社を出ると、目の前に目的地「海龍王寺」の表門(三門)が。
道路ギリギリの場所にあり、写真撮影時は車に注意が必要です⚠️

奈良時代の雰囲気や空気感
立派な門をくぐると、「山門・両築地塀」が見え、その先に受付があります。

暑くて汗だくだったので、まずは休憩することに。
本堂の縁側に座ると涼しい風が吹いてきて心地よかったです。

本堂と御本尊|十一面観音菩薩立像
御本尊の十一面観音菩薩立像は、通常は戸帳越しの拝観のはずが、運良く直接拝見できました🙏
金泥もそのままで、朱や緑青などの色彩、截金文様、透彫りの繊細な装飾が美しく、華麗なお姿で、しばらく見入ってしまいました。
壇上には「海の安全」や「旅行・留学の安全」を願って、全国から届けられた海水入りのガラス器も納められており、神聖な空気を感じました。
【国宝】五重小塔|国内最小の五重塔
隣の「西金堂」には、国内最小の国宝五重塔(五重小塔)が安置されていました
堂内には入れませんが、扉越しに拝観可能。ミニチュアサイズながら繊細で、当時の色も残っていて美しかったです。昔の人の技術の高さに驚きです。
※【国宝】五重小塔とは
・室内に安置されることを前提に造られており、屋外の大型五重塔の縮小版ではなく、細部まで精巧に作り込まれています
・奈良時代の建築技法を現代に伝える貴重な遺構であり、五重塔の建造物としては唯一の室内設置例であるため、非常に高い価値を持っています
海龍王寺の御仏像
【御本尊】 十一面観音菩薩立像(重要文化財)
・光明皇后が自ら刻んだと伝わる観音像をもとに、鎌倉時代に慶派の仏師によって造立されたものです
・檜材に金泥が施され、衣には截金(きりかね)文様が美しくあしらわれています。頭部の飾りや装身具も精緻で、透かし彫りやガラス玉を用いた煌びやかな意匠が特徴です
・腰をわずかにひねり、左足に重心を置き右足を軽く前に出す動きのある姿勢で、上半身は左手に蓮を挿した水瓶を持ち、右手は与願印(願いを受け入れる印)を結んでいます
・像高は94cm。昭和28年(1953年)まで秘仏とされていたため保存状態が良く、制作当初の金泥や装身具の精緻な細工が残っています
文殊菩薩像(重要文化財)
・像高:およそ117cm
・小ぶりな頭部に合わせて目鼻口も小さく作られ、穏やかな表情と起伏を持つ造形が特徴です
愛染明王像(奈良市指定文化財)
・彩色も残る美しい仏像
・煩悩や愛欲を悟りの力に変える仏として信仰され、縁結びや良縁成就、恋愛成就、夫婦和合などのご利益があるとされています
不動明王像
・辮髪(べんぱつ)を左胸前に垂らし、両眼を見開き、額に水波の相を作るなど、力強く忿怒(ふんぬ)の表情を示しています
・愛染明王像とともに本堂に祀られており、参拝者の厄除けや災難除けの信仰を集めています
毘沙門天像
・平城京の東北(鬼門)を守護する北方守護神として造立されました
・肉身は肥満感を表しており、武具を身に着けていないことと、おだやかな表情とが相まって、やわらかな造りを感じることができます
海龍王寺 八十八箇所
・先代住職が自ら刻んだ四国八十八箇所のご本尊
・四国八十八箇所へお参り出来ない方々や、先代住職を偲ぶ方々が日々お参りに来られているそうです
📍特に心に残った御仏像
【御本尊】十一面観音菩薩立像
直接拝観できたことが何よりの幸運✨
金泥もそのままで、衣の部分の朱・丹・緑青・群青などの色彩、截金(きりかね)文様、透彫りの繊細な装飾が美しくあしらわれていました。
腰をわずかにひねり、やさしい手の動きなど、細かい一つ一つが美しく、本当に麗しいお姿でした
八十八箇所仏像
後から住職自作と知りました
手のひらサイズの大きさで、一つ一つ丁寧に彫られていました
どの御仏像も優しい表情をされていたので、今でもよく覚えています
海龍王寺 基本情報
- 住所:〒630-8001 奈良県奈良市法華寺北町897
- 参拝料:500円 (2025年6月時点)
- 公式HP:https://kairyuouji.jp/
海龍王寺とは

- 天平3年(731年)、光明皇后の発願により創建
- 玄昉が初代住持。暴風雨からの帰還に「海龍王経」を唱えたことが寺名の由来
- 平城宮の鬼門守護、内廷寺院として機能
- 旅行・留学の安全祈願で有名
- 般若心経の写経発祥の寺ともされる
- 国内最小の国宝五重塔を安置
🚌 アクセス方法(JR奈良駅)

- JR奈良駅(西口15番)より「大和西大寺駅・航空自衛隊前」行きバス乗車、「法華寺前」下車すぐ

- 不退寺から徒歩約20分
最後に|奈良時代からの雰囲気や空気感を

住職の優しい語り口が印象的で、この寺院に来れて良かったと思いました。
「奈良時代の雰囲気を残した寺でありたい」という想いが随所に感じられる寺院でした
空を見上げると、「不退寺」参拝時には曇っていた空が青く晴れ、木々に囲まれた境内は静かでゆるやかな時間が流れていました。
1300年前の人々も吸ったであろう空気や見上げた空を私もしっかりと体感できたような気がしました。

静かにお参りができるので、穴場が好きな方におすすめです
奈良に観光にきた際には、ぜひ旅の安全祈願へ
この後は「法華堂」へ向かいます。
スタンプラリー
「不退寺」「海龍王寺」「法華寺」の三寺院をめぐる記念に😊
🍮 まほろば大仏プリン、美味しかった〜

ずっと気になっていた「まほろば大仏プリン」✨
見た目のインパクトと可愛さ、そして奈良らしいデザインに惹かれて、ついに購入しました!
今回選んだのは、ミルキーで優しい味わいの「カスタード味(小)」(440円/2025年6月現在)
牛乳の風味がしっかり感じられ、予想以上に美味しくてペロリと食べてしまいました。
正直なところ…もうひとつ、もしくはビッグサイズを買っておけばよかったと思ったほどです。
(※ビックサイズのカスタード味は食感と味が異なるそうです。益々気になります)
食べ終わった後の瓶も可愛くて、小物入れとして再利用できるのも嬉しいポイント。
まほろば大仏プリンは、添加物を極力使わず、小さなお子さんでも安心して食べられるよう配慮されています。
奈良県産の素材をできるだけ使用し、一つひとつ手作りで丁寧に作られているそうです💡
私はJR奈良駅店でテイクアウトしました。
奈良旅の締めくくりにぴったりなスイーツでした🍮✨
「仏像が好き」「ひとりでゆっくり心を整えたい」と思う誰かに、この体験が届きますように🍀
※本記事内の写真はすべて筆者が撮影したものです
🇺🇸 English Summary(英語要約)
Kairyuo-ji Temple in Nara: A Peaceful Visit for Travel Blessings and Buddhist Art
Summary:
Kairyuo-ji is a serene temple in Nara known for its blessings for safe travel and study abroad. Discover the exquisite Eleven-Headed Kannon (Important Cultural Property), Japan’s smallest five-storied pagoda (National Treasure), and hand-carved miniature Buddhas. With its connection to the origins of the Heart Sutra transcription, this temple offers a quiet spiritual experience.