紅葉と仏像、両方を楽しむ秋の東福寺|三門・法堂の特別公開体験

秋の京都といえば紅葉。その中でも「東福寺」は通天橋から望む燃えるような景色で知られています。けれど、仏像好きな私は紅葉以上に心に残る体験をしました。
普段は閉ざされている「三門」や「法堂」の扉が期間限定で開かれ、仏像と静かに向き合えたのです。外の賑わいとは対照的に、堂内は深い静けさに包まれ、まるで時が止まったかのような時間でした。
紅葉だけじゃない、静かな仏像拝観の時間

東福寺といえばやはり庭園の紅葉が大人気で、多くの方がその絶景を目当てに訪れます。けれど、三門や法堂の拝観は別途チケットが必要なこともあり、足を運ぶ人は少なめでした。だからこそ、観光客の喧騒から離れ、ゆっくりと仏像と向き合える静かな時間が流れていました。
華やかな紅葉を眺めた後、厳かな仏像に出会う――その静と動の対比が、心を不思議と整えてくれるのです。秋の東福寺では、紅葉と仏像、その両方を体験することで、より深い旅の余韻を味わえると感じました。
東福寺とは|紅葉の名所であり禅の名刹

東福寺は臨済宗東福寺派大本山で、京都五山の一つ。鎌倉時代に創建され、広大な境内を誇ります。紅葉シーズンは観光客でにぎわいますが、寺そのものの歴史や仏像も見どころです。
秋の特別公開で拝観できる仏像と文化財

三門(国宝)の楼上の御仏像

通常非公開。釈迦如来坐像や十六羅漢像を安置し、門上からは境内や紅葉を一望できます。
東福寺の三門楼上には、特別な仏像群が安置されています。主に「宝冠釈迦如来坐像」と「十六羅漢像」が代表的で、いずれも室町時代の作と伝えられています。
- 宝冠釈迦如来坐像
三門楼上の中央に結跏趺坐する宝冠釈迦如来坐像が安置されています。本来如来像は装飾品をまといませんが、この像は釈迦牟尼が王族だった若い頃の姿を象徴しているため、宝冠をかぶり髻を結っています。 - 周囲の尊像
宝冠釈迦の左右には「月蓋長者像」と「善財童子像」が並び、その後方には釈迦の高弟=十六羅漢像が左右8体ずつ、計16体安置されています。 - 三門楼上の荘厳
これらの仏像は、普段は非公開ですが、特別公開期間(例えば春や秋の特別展)に拝観できます。迷兆が描いた極彩色の天井画も見どころのひとつです。
三門自体が国宝で、禅宗三門の中でも最古・最大級を誇ります。
楼上へ上がる階段が急で、登るのに少しドキドキしましが、三門楼上の仏像は、東福寺ならではの荘厳な空間で一見の価値がありました。また、案内・解説するガイド付きで、とても分かりやすく説明してくださいました🙏✨
楼上は風も心地よく、紅葉も境内もよく見えてとても美しかったです✨人混みが苦手な私ですが、この楼上では周りの人を気にすることなく、ゆっくりと美しい景色を独り占め出来ました。今でもその景色を思い出します。
法堂(仏殿兼法堂)の御仏像
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壮麗な本尊釈迦如来立像と摩訶迦葉尊者・阿南尊者立像、四天王像などが安置されています。
- 本尊:釈迦如来立像
鎌倉時代の作で、旧塔頭三聖寺の本尊だったものが明治期に東福寺へ移されました。重要文化財に指定され、宋風と和様化が混在したスタイルが特徴です。像高約263cmで、両脇に摩訶迦葉尊者・阿南尊者立像(約190cm)が並びます。 - 四天王立像
壇上には四天王像も安置。とくに多聞天は鎌倉前期の慶派仏師による優品とされます。 - 仏手(大仏左手)
かつて仏殿に安置されていた像高15mの大仏釈迦如来像が明治期に焼失し、巨大な左手部分(長さ2m)が現存、法堂の端に展示されています。 - その他の尊像
伽藍神像(像高1m余)、梵天・帝釈天像、愛染明王像もあり、いずれも室町期から南北朝期の作例です。
天井画と特別展示
法堂の仏像は、東福寺の歴史的な火災と復興過程を今に伝えています。
体験談:紅葉と仏像が重なる瞬間

紅葉の谷を渡る通天橋の景色を楽しんだあと、三門へ。扉が開かれた先で出会った仏像は、写真では伝わらない迫力と穏やかさを放っていました。
堂内は観光客の声もひそみ、誰もが仏像に吸い込まれるように見入っています。紅葉の鮮やかさと仏像の静けさ――そのコントラストが、今も心に焼きついています。
東福寺 拝観情報
※最新情報は公式リンクを確認してください。
- 公開時期:例年11月上旬〜12月上旬
- 拝観時間:9:00〜16:00(最終受付15:30)※変更あり
- 拝観料:通常拝観料とは別途設定される場合あり
- 混雑回避:午前早め、または平日の訪問がおすすめ

アクセス
- 住所:京都市東山区本町15丁目778
- 最寄駅:JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」より徒歩約10分
- 周辺:方丈庭園や塔頭寺院も合わせて巡ると一層楽しめます
東福寺から徒歩20分で行ける▶︎美人祈願で有名な「泉涌寺(せんにゅうじ)」の参拝もオススメです🙏✨

まとめ|紅葉と仏像、両方を味わう贅沢な秋

東福寺は紅葉の名所として有名ですが、春と秋の特別公開では普段は出会えない仏像を拝観できます。
外の紅葉に心を奪われ、堂内の仏像に心が静まる――その両方を体験できるのは、この時期ならでは。次の京都旅ではぜひ、紅葉と仏像の二重奏を味わってみてください。
おわりに|仏像を通して心にふれる時間を
仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものだと思います。
そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。
それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー
仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨
そんな思いを込めて、このブログを書いています😊
🇺🇸 English Summary(英語要約)
Tofuku-ji Temple in Kyoto is famous for its stunning autumn foliage, but during the special autumn opening, visitors can also step inside the Sanmon Gate and the Lecture Hall (Hattō)—normally closed to the public. Inside the Sanmon, statues of Buddhas and disciples create a solemn, sacred atmosphere. In the Hattō, the powerful ceiling painting of the “Twin Dragons” captures the eye and the heart. This rare opportunity allows travelers not only to enjoy the vibrant colors of autumn but also to encounter Buddhist statues that convey a sense of serenity and timelessness. Visiting Tofuku-ji in autumn means experiencing both natural beauty and spiritual depth.