京都・永観堂のみかえり阿弥陀|振り返る慈悲と紅葉のひととき

寺院ガイド(所蔵寺院)

はじめに|京都・禅林寺(永観堂)の「みかえり阿弥陀像」

「もみじの永観堂(えいかんどう)」として知られる京都・禅林寺(ぜんりんじ)。秋の紅葉で有名ですが、それ以上に心に残るのが本尊「みかえり阿弥陀像」です。振り返るような珍しいお姿は、訪れる人々の心を静かに包み込みます。本記事では、阿弥陀如来像の魅力や境内の雰囲気、拝観情報をまとめました。

永観堂と「みかえり阿弥陀像」

永観堂の正式名称は「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺」。古くから浄土教の拠点として栄え、「みかえり阿弥陀像」はその象徴ともいえる存在です。

みかえり阿弥陀像

  • 阿弥陀如来立像(みかえり阿弥陀)
  • 平安時代末期作、木造寄木造漆箔
  • 像高約77cm
  • 伝説「永観、遅し」
  • 慈悲を表現した振り返る姿勢

この像は平安時代末期の作で、左後方に首をかしげて振り返る珍しいポーズをとっています。伝説によると、1082年のある早朝、永観律師(えいかんりっし)が念仏修行をしているとき、阿弥陀仏が壇を降りて彼を先導しながら振り返って「永観、遅し」と言ったという話が残ります。そのため「みかえり阿弥陀」と名付けられています。

この仏像は穏やかで慈悲深い表情を持ち、阿弥陀如来の具体的な慈悲の姿を示す像として非常に珍しく、多くの参拝者に親しまれています。像高は約77cmで、木造寄木造漆箔による平安時代後期の作品とされ、永観堂の本尊かつ重要文化財に指定されています。

この阿弥陀像のポーズは日本でも非常に珍しく、「振り返る阿弥陀」として特異な存在であることから、永観堂を訪れる際にはその独特の表情と姿勢を間近で拝観することが魅力の一つです。ゆかりの伝説や歴史、制作背景とあわせて仏像の見どころとなっています。


体は前を向いたまま、顔だけを柔らかく振り返るお姿は、他に類を見ない造形。まるで人々を見守り、足を止めて振り返る大切さを教えてくれるようです。真横近くまで寄って振り返るお姿を見ることが出来ました。貴重な体験でした。参拝時はぜひこの像を中心に鑑賞することをお勧めします🙏✨

境内の雰囲気

阿弥陀堂に安置された「みかえり阿弥陀像」は、堂内の静けさとともに特別な時間を感じさせます。境内には本堂、多宝塔、放生池などもあり、四季折々の景観を楽しめます。特に紅葉シーズンは境内全体が彩りに包まれ、阿弥陀堂を拝観した後の散策も魅力です。

永観堂の紅葉と共に味わう

「もみじの永観堂」と呼ばれるように、秋の紅葉は圧巻です。昼間の鮮やかな紅葉に加え、夜間ライトアップでは池に映る幻想的な紅葉も楽しめます。

みかえり阿弥陀像の拝観とあわせて、紅葉に包まれる境内を歩くと、心に深く残る体験となるでしょう。

拝観情報・アクセス

  • 拝観時間:9:00~17:00(受付終了16:00)
  • 住所:京都市左京区永観堂町48
  • アクセス:バス:京都駅から市バス「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約3分
  • アクセス:電車:地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩15分。

詳しい情報、最新情報は▶︎禅林寺(永観堂)公式サイトにてご確認ください。

紅葉シーズンは特に混雑するため、早朝や平日の拝観がおすすめです。

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まとめ

永観堂のみかえり阿弥陀像は、振り返る慈悲を象徴する唯一無二の仏様です。紅葉の美しさとあわせて拝観することで、視覚的な感動と心の安らぎを同時に味わえるでしょう。京都を訪れる際は、ぜひ立ち寄りたい寺院のひとつです。

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おわりに|仏像を通して心にふれる時間を

仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものだと思います。

そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。

それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー

仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨

そんな思いを込めて、このブログを書いています😊

🇺🇸 English Summary(英語要約)

Eikando Zenrinji Temple in Kyoto is renowned for its unique statue of Amida Buddha, known as the “Mikaeri Amida” (Looking-Back Amida). Unlike typical Buddha statues that face forward, this Amida is depicted turning his head gently to the side, as if calling out to those who may be left behind on the path to salvation. The compassionate gaze and graceful posture deeply move visitors, offering both artistic beauty and spiritual comfort.

Eikando is also famous for its stunning autumn leaves, when the temple grounds glow in vibrant red and gold. With its combination of breathtaking seasonal scenery and the profound symbolism of the Mikaeri Amida, Eikando has become a beloved destination for those seeking both cultural enrichment and moments of inner peace in Kyoto.

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