京都・東本願寺の阿弥陀如来に出会う|心を包み込む優しさ

寺院ガイド(所蔵寺院)

はじめに|京都・東本願寺で出会う阿弥陀如来

京都駅から徒歩すぐ、烏丸七条に堂々と構える東本願寺。浄土真宗の本山として知られ、阿弥陀如来をご本尊とする寺院です。
今回はその阿弥陀如来を中心に、造形や象徴、心に響くポイントをご紹介しながら、アクセスや境内の雰囲気もあわせてお届けします。

阿弥陀如来とは?

阿弥陀如来(あみだにょらい)は「無量の光と寿命」を意味する仏さまで、すべての人を救う慈悲の存在として信仰されています。
東本願寺の阿弥陀如来像は、阿弥陀堂に安置されており、静かで穏やかな表情が印象的です。訪れる人の心を優しく包み込み、「安心感」に導いてくれるような雰囲気を感じます。

▶︎「阿弥陀如来」についてさらに詳しく解説した記事はこちら

本尊の阿弥陀如来像

この像は本堂の奥にある厨子(宮殿)内に安置されており、高さ約1メートルの立像で、ヒノキの寄木造、玉眼が使われています。拝観は日中であれば自由ですが、本尊までの距離があるため肉眼での細部は限界があります。

造形と象徴の見どころ

  • 表情:やわらかく微笑む口元と、半眼のまなざし。慈悲と安らぎが伝わります。
  • 印相:「来迎印(らいごういん)」を結び、衆生を迎え入れる姿勢を示しています。
  • 衣のひだ:細やかな衣文線(えもんせん)は、落ち着いた流れを感じさせ、心を整えるよう。

東本願寺の阿弥陀如来像は、西本願寺のものに比べると、金箔使用はあるものの落ち着いた色合いで、穏やかな表情が特徴的です。衣のひだの彫りや光背の形など細部に微妙な違いがありますが、基本的には「衆生を迎える」来迎印の姿勢であり、伝統的な浄土真宗の本尊像の様式を踏襲しています。


造形美に目をとめると、ただの信仰対象ではなく「美の結晶」としての阿弥陀如来を味わうことができます。

東本願寺(真宗大谷派)での阿弥陀如来像の参拝方法

  1. 合掌礼拝で参拝します。胸の前で両手を合わせ、念珠を左手にかけます。両手の指先は45度ほど前方にかたむけるのが正式な姿勢です。
  2. 合掌の状態で「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ、またはなんまんだぶ)」と数回唱えます。
  3. 合掌をといてから、軽く頭を下げて礼をします。合掌のまま礼をしないのが作法のポイントです。
  4. 焼香は、香を右手で2回つまみ香炉に入れ、その後合掌し念仏を唱えます。額に香を押し頂くことは真宗大谷派ではしません。
  5. 参拝時は堂内の本尊阿弥陀如来に向かって一礼し、静かに祈念することが奨励されます。東本願寺の阿弥陀如来像は阿弥陀堂に安置されており、堂内は荘厳な空間となっています。

この参拝方法は、浄土真宗大谷派の基本的な礼拝作法として総合的に適用されます。なお、境内は自由に参拝可能で、順路は決まっておらず、心を込めて静かに礼拝すればよいとされています。

境内と建築の魅力

阿弥陀堂のほかに、日本最大級の木造建築である「御影堂門(ごえいどうもん)」には釈迦如来・弥勒菩薩・阿難尊者の三尊像が楼上に安置されていますが、通常非公開です。御影堂内には宗祖・親鸞聖人の御真影が安置されており、浄土真宗の教えを象徴する荘厳な空間が広がっています。その圧倒的なスケールに心を打たれます。
境内は広々としており、烏丸通に面した御影堂門をくぐると一気に静けさに包まれるのも魅力です。


東本願寺で見られる主な仏像は阿弥陀如来像で、他に通常非公開の三尊像などがあります。御影堂や御影堂門の壮大な建築とともに仏像を拝観できる浄土真宗の中心的な寺院です。

アクセス情報

  • 所在地:京都市下京区烏丸通七条上る
  • 最寄駅:JR「京都駅」中央口から徒歩約7分
  • 拝観料:無料

京都駅から徒歩で訪れることができるアクセスの良さは、旅の途中でも立ち寄りやすいポイントです。

最新情報は▶︎東本願寺公式HPをご確認ください。

心に響く阿弥陀如来との出会い

私が初めて東本願寺の阿弥陀如来に出会ったとき、心がふっと軽くなるような感覚がありました。大きな慈悲に抱かれているようで、言葉にできない安心感が広がります。
「また会いに行きたい」と思えるのは、単なる信仰を超えた、阿弥陀如来の優しさそのものがそこにあるからだと感じます。

まとめ

京都駅からすぐの場所で、拝観料も無料で阿弥陀如来に出会える東本願寺。
その造形美や象徴に触れることで、心が整い、旅の中で大切なひとときを過ごせるはずです。
少し早起きをして早朝の清々しい空気の中、参拝するのもオススメです。京都観光の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

京都駅から歩いて行ける寺院

東本願寺とあわせて立ち寄りやすい、京都駅周辺の寺院・庭園をピックアップしました。短時間で回れるので、旅程に気軽に組み込めます。

西本願寺(にしほんがんじ)

所要時間:徒歩約10分(京都駅中央口より)

見どころ:浄土真宗本願寺派の本山の一つで、国宝の唐門や御影堂・阿弥陀堂など荘厳な建築が並びます。境内の雰囲気は東本願寺とまた違った趣があり、仏教建築としても人気です。

ワンポイント:広い境内なので短時間でも見どころを絞って回ると効率的。撮影可否は場所ごとに異なるため掲示に従いましょう。

▶︎西本願寺の魅力を深掘りした記事はこちら

東寺(とうじ)

所要時間:徒歩約15〜20分(京都駅南口から徒歩)

見どころ:世界遺産に登録された密教寺院。象徴的な五重塔は京都のランドマークで、内部の仏像や立体曼荼羅(大日如来を中心とする曼荼羅表現)も必見です。季節ごとの特別拝観や骨董市も魅力的。

ワンポイント:五重塔周辺は写真スポット。拝観時間や特別公開日は事前確認を。夜間ライトアップが行われることもあります。

▶︎東寺の魅力を深掘りした記事はこちら

渉成園(枳殻邸・しょうせいえん)

所要時間:徒歩約5〜8分(東本願寺の飛地境内に位置)

見どころ:東本願寺の飛地境内にある池泉回遊式庭園。都会の中にありながら静かな水辺景観が楽しめ、四季それぞれの表情(新緑・紅葉など)が美しい場所です。

ワンポイント:庭園はコンパクトで落ち着けるため、ゆっくり座って景色を楽しむのに最適。撮影やスナップ散歩にも向いています。

回るときのコツ

  • 京都駅からの徒歩移動は荷物が多い場合はタクシーや市バスの利用も便利。
  • 拝観時間・特別公開情報は公式サイトで事前確認を。特に特別展や行事日は混雑しやすいです。
  • 短時間で複数を回る場合は、見どころを事前に決めて優先順位をつけると効率的です。

※掲載の徒歩時間は目安です。最新の拝観情報やアクセス方法は各公式サイトでご確認ください。

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おわりに|仏像を通して心にふれる時間を

仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものだと思います。

そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。

それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー

仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨

そんな思いを込めて、このブログを書いています😊

🇺🇸 English Summary (英語要約)

At Higashi Hongan-ji Temple in Kyoto, visitors can encounter the serene statue of Amida Buddha, the principal deity of Jodo Shinshu Buddhism. With his gentle expression and welcoming gesture, Amida embodies compassion and reassurance, offering a sense of peace to all who stand before him. Located just a short walk from Kyoto Station, the temple’s vast halls and calm atmosphere make it an ideal place to experience both Buddhist art and spiritual comfort during your Kyoto journey.


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