奈良・海龍王寺の十一面観音は、金泥のやわらかな光と、静けさの中に凛とした気品をたたえる—まさに“クールビューティー”と呼ぶにふさわしい観音さまです。
普段は帳(とばり)で守られている秘仏ながら、特別開扉の機会にはその姿を間近で拝観でき、その細やかな造形と落ち着いた華やぎに、心はすっと整えられるでしょう。
忙しい日々を少し離れて、静寂と祈りに包まれる時間を求める方、古寺や仏像巡りが初めての方にも、十一面観音菩薩の美しさの魅力を、やさしい言葉で丁寧にご紹介します。
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【結論】海龍王寺の十一面観音さまは、静けさの中に気品が宿る“クールビューティー”

奈良・海龍王寺の十一面観音菩薩は、金色の柔らかな輝きと静かなたたずまいが印象的な、まさに“クールビューティー”と呼ばれる観音さまです。
特別開扉の時期には帳(とばり)が上がり、間近で直接お会いできる稀少な機会があります。
目の前に立つと、華やかすぎない上品な光と、細部まで息づく文様の美しさに心がすっと整い、穏やかな静けさに包まれる。
「静かに心が整う観音さまに会いたい」
そんな方にぜひ訪れてほしい、一寺です。
海龍王寺の十一面観音とは
海龍王寺に伝わる十一面観音菩薩立像は、重要文化財 に指定される貴重な仏像です。
● 保存状態がきわめて良い理由
昭和28年(1953年)まで秘仏として非公開だったため──
- 金泥
- 切金模様
- 鍍金装身具
が制作当初の美しさに近い状態で残され、現代までその輝きを保っています。
● 造形の特徴
- 像高:94cm
- 寄木造(檜材)
- 表面に金泥が施され、切金模様や鍍金が精巧に輝く
- 条帛・天衣・裳の流れが美しく、金 × 朱 × 深い緑 の彩色が上品
- 左足に重心、右足を前に出す「一歩踏み出す」姿勢
- 左手:蓮華を挿した水瓶
- 右手:願いを受け取る「与願印」
気品と凛とした美しさを備えつつ、やわらかさを感じる造形です。
● 光明皇后の祈りを受け継ぐ像
伝承では、光明皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとに、鎌倉時代の慶派仏師が本像を造立したとされます。
造形の優美さと祈りの心が共存する、格の高い観音像です。
十一面観音が“クールビューティー”と言われる理由

拝観した瞬間に感じるのは、静けさの中の強さ。
- 柔らかな金色の光
- 控えめに輝く細かな文様
- 風をふくんだような布の流れ
- 上品な金・朱・緑の彩色
華美ではないのに、凛とした存在感。
落ち着いた色彩と優雅な姿勢が、まさに“クールビューティー”と呼ばれる理由です。
近くで見るほど、静かで知的な美しさが際立ちます。
十一のお顔に込められた意味
十一面観音は、頭上に十一のお顔を持ち、
さまざまな表情で人々を救う観音さま とされています。
海龍王寺像では──
- 怒りの表情でさえ柔らかな慈しみを含む
- 全体にやさしく知的な表現
- 近距離で見ることで表情一つひとつが伝わる
特にお顔の柔らかさは、この像の大きな魅力のひとつです。
姿勢と手の意味
十一面観音の姿勢には祈りの心が込められています。
✔ 微笑み
苦しむ人に寄り添い、安心を与える「慈悲の表情」。
✔ 一歩踏み出す姿
救いへ向けて行動する意思を象徴。
「すぐそばに寄り添い、手を差し伸べる」観音の働きを表します。
✔ 与願印(右手)
人々の願いを受け取り、叶える姿勢。
✔ 水瓶(左手)
清らかな水で苦しみを洗い流す象徴。
動きのある姿と柔和な表情が、観音さまの祈りと慈悲を全身で表現しています。
海龍王寺で十一面観音に出会う特別さ
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海龍王寺は境内全体が静寂に包まれ、訪れるだけで心が落ち着くような場所です。そんな空間で拝観できる十一面観音さまは、派手さではなく「内側からにじむ美しさ」を感じさせてくれます。
大きなお堂に並ぶ仏像とは異なり、近い距離で向き合えるため、より深く観音さまの美しさと優しさを味わえるのが魅力です。
特別開扉で直接お会いできる日
通常は帳越しの拝観ですが、以下の時期のみ帳(とばり)が上がります。
- 3月下旬〜4月上旬
- 5月上旬
- 10月下旬〜11月上旬
【2025年 秋】
特別公開|十一面観音特別開帳
- 2025年10月25日(土)〜11月10日(月)
- 9:00〜17:00(退門)
※最新情報は公式サイトをご確認ください。
海龍王寺(かいりゅうおうじ)基本情報
- 所在地:奈良県奈良市法華寺町897
- 最寄駅:近鉄「新大宮駅」より徒歩約15分
- バス:奈良交通「法華寺」下車すぐ
- 最新情報は公式サイトにてご確認ください。
アクセス(JR奈良駅から)

JR奈良駅(西口15番)
→「大和西大寺駅・航空自衛隊前」行き
→「法華寺前」下車すぐ
周辺の徒歩圏の寺院

- 不退寺(徒歩20分)
恋と美の祈りが息づくお寺 - 法華寺(徒歩5分)
花と癒しの尼寺
【実際にお会いして】

運良く直接、十一面観音さまに直接お会いできました🙏✨
十一面観音菩薩のお姿は、やわらかな金色に包まれ、ところどころに細かい模様や飾りがきらきらと光っています。身につけている布や帯は、ふんわりと風にゆれるような優しい流れで表現され、金と朱、深い緑色の組み合わせがとても上品でした。その美しさは、華やかすぎず、でも凛とした気高さがあり、見ているだけで心が静かに整っていくような印象を受けました。
まさに、「クールビューティー」と称されるにふさわしい、美しさと静けさを湛えた観音さまでした。
海龍王寺の十一面観音菩薩立像は、造形・保存状態・宗教的意義のすべてにおいて高く評価される仏像です。ぜひそのお姿に直接会いに行ってその美と祈りの雰囲気を感じてほしいです。
まとめ|海龍王寺の十一面観音がくれる“静かな整い”
海龍王寺の十一面観音菩薩は、
美しさ・保存状態・祈りの心が見事に調和した観音像 です。
間近で拝観できる貴重な機会は、心を落ち着かせ、穏やかな気持ちに導いてくれる特別な時間です。静かに心を整えたい方、観音さまの気品を近距離で味わいたい方に、心からおすすめします。
奈良で十一面観音に会いたい方、静かに心を整えたい方に、ぜひ訪れてほしい一寺です。
🇺🇸 English Summary (英語要約)
The Eleven-Faced Kannon of Kairyuoji Temple is known for its gentle golden glow and elegant presence — often described as a “cool beauty.”
Its delicate kirikane patterns, refined colors, and graceful posture reflect deep compassion and the Buddhist vow to save all beings.
Because the statue is usually hidden behind a curtain, the special viewing periods offer a rare chance to stand close and feel the peaceful atmosphere it radiates.
If you are traveling in Nara and wish to experience a calm, meditative moment with a beautifully preserved Kannon statue, Kairyuoji Temple is a deeply rewarding place to visit.

