菩薩とは、悟りをめざしながらも、私たちのために歩みを止めず救い続けてくれる存在です。
一方の如来は、すでに悟りを開いた「完成した仏さま」。
簡単にまとめると、
- 菩薩=悟りの途中で、人々を助け続ける存在(慈悲の象徴)
- 如来=悟りを完成させた存在(仏教の到達点)
この違いを知ると、仏像の見え方がぐっと変わります。
菩薩像が華やかで優しい表情をしているのは、私たちの近くに寄り添ってくれる存在として表されたためです。
この記事では、初心者の方にも分かりやすく、菩薩の意味・特徴・如来との違い・代表的な菩薩・仏像の鑑賞ポイントをやさしく紹介します。
菩薩とは?|意味は「悟りを求めながら人々を救う存在」

菩薩(ぼさつ)は、サンスクリット語の「ボーディサットヴァ」の訳で、
悟り(仏の智慧)を求めながら、同時にすべての人を救おうとする存在
のことです。
「自分だけが悟ればいい」という考えではなく、
困っている人・迷っている人に寄り添い、救うために働くのが菩薩の大きな役割です。
そのため仏像としても、優しい表情・華やかな装飾・しなやかな体のラインが特徴です。
菩薩の特徴
- 慈悲深く、衆生を我が子のように慈しむ
- 智慧を備え、現実と幻想を見極める
- 色んな手段を使って人々を救済する
- 布施(惜しみなく与える心)を実践する
- 忍耐を持ち、他者の歩みに寄り添う
- 持戒(=戒律を守る)に忠実で規律を守る
- 勇気をもって困難に立ち向かう
歴史的には、釈迦(お釈迦さま)も悟りを開く前は「菩薩」と呼ばれていました。つまり仏になる前の修行者としての姿を意味します。

菩薩と如来の違い|ひと目で分かる比較表
如来は成仏しているため生まれ変わることはありませんが、菩薩はまだ生死や輪廻から解脱していない段階にあり、生まれ変わりを繰り返しながら修行と救済活動を続けています。
| 如来(にょらい) | 菩薩(ぼさつ) |
|---|---|
| 悟りを開いた完成形 | 悟りを目指し、人々を助け続ける存在 |
| 簡素で落ち着いた姿 | 冠・装飾品を身につけた華やかな姿 |
| 例:釈迦如来、大日如来 | 例:観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩 |
| 真理を説き導く | 他者の救済のために活動 |
| 生死:解脱し輪廻から外れている | 生死:輪廻の中にいる |
如来=ゴールに到達した存在、菩薩=道の途中で助けてくれる存在。
この関係性を知っておくと、仏像巡りがさらに楽しくなります。
なぜ菩薩像は美しいのか?|装飾の意味
菩薩像には、冠・首飾り・腕輪・天衣など、華やかな装飾が多く見られます。これは、
「悟りに向かう途中=私たちの世界に近い存在」
であることを表しています。
優しいまなざし、流れるような体の線、柔らかな雰囲気は、菩薩特有の魅力です。
代表的な菩薩|知っておきたい4つの存在
観音菩薩(かんのんぼさつ)
人々の苦しみを聞き取り、救ってくれる「慈悲の菩薩」。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
未来に悟りを開き、私たちを救うとされる「未来仏」。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
子ども、旅人、亡くなった人を守り、あらゆる苦しみから救う存在。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
知恵をつかさどり、「文殊の知恵」で有名。
菩薩像の鑑賞ポイント
如来像と比べて衣装や装身具がとても華やかです。冠やネックレス、豪華な衣装をまとった姿は、悟りを開く前の王子としての姿を表現しています。
- 優しい表情 … 目元の柔らかさに注目
- 華やかな装飾 … 冠・ネックレス・天衣の美しさ
- しなやかな体のライン … 菩薩らしい柔らかさ
- ポーズの意味 … 来迎印・与願印などに込められた祈り
代表的な菩薩像|京都・奈良で会える有名な仏像たち
菩薩と一口にいっても、そのお姿や表情、信仰のされ方はさまざまです。私のおすすめの有名な菩薩像をご紹介します。実際に訪れて対面すると、写真では伝わらない魅力や存在感に圧倒されると思います🙏✨
京都・広隆寺|弥勒菩薩半跏思惟像
日本最古級の仏像で、片脚を組んで静かに思索する姿が印象的です。微笑みを湛えた表情には、見る人の心を穏やかにする力があります。
奈良・中宮寺|菩薩半跏像(伝如意輪観音)
優美な半跏思惟の姿で知られ、飛鳥時代の仏像美術を代表する傑作です。柔らかな曲線と静けさが調和した佇まいが魅力です。
▶︎中宮寺|菩薩半跏像(伝如意輪観音)について詳しい記事はこちら

奈良・安倍文殊院|騎獅文殊菩薩像
獅子(しし)に乗る文殊菩薩とその脇侍たちの豪華な構成が特徴で、堂内全体に物語性を感じさせます。国宝に指定されています。

奈良・法隆寺|地蔵菩薩立像
優しい表情で人々の苦しみを救うとされる地蔵菩薩の代表的な像。古代から多くの人々の信仰を集めてきました。
京都・三十三間堂|千手観音坐像
1,000体の千手観音立像とともに安置される本尊の千手観音坐像は、圧倒的なスケールと美しさで訪れる人を魅了します。
どの菩薩さまも、それぞれの時代背景や信仰のかたちを映し出しており、鑑賞するだけでも心が整うような体験が得られるはずです。ぜひ、あなた自身の感性で「お気に入りの菩薩」を見つけてみてください。
まとめ|菩薩は“やさしさと慈悲の象徴”
菩薩とは、悟りを目指しながら、私たちのために手を差し伸べてくれる存在です。
如来との違いを知ることで、仏像の見方がより深く、より楽しくなります。
京都や奈良には、多くの魅力的な菩薩像が残されています。
ぜひ実際に会いに行き、そのやさしさを感じてみてください。
※本記事内の写真はすべて筆者が撮影したものです。
おわりに|仏像を通して心にふれる時間を
仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものなのです。
そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。
それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー
仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨
そんな思いを込めて、このブログを書いています😊
🇺🇸 English Summary(英語要約)
This article explains what a Bodhisattva is and how it differs from a Buddha in an easy-to-understand way for beginners. You will learn the role of Bodhisattvas, their compassion-driven mission, and key examples such as Kannon and Jizo. A simple guide to deepen your appreciation of Buddhist statues.

