大安寺の十一面観音さまは、天平の美が息づく特別な存在
奈良・大安寺の秋季特別拝観(10月1日〜11月30日)で会える十一面観音立像(じゅういちめん かんのん りゅうぞう)は、普段は秘仏とされる大安寺のご本尊です。奈良時代・天平期に造られた国重要文化財で、優美なプロポーションと天平仏らしい気品をもつお姿は、静寂の本堂の奥で向き合うと心がすっと整うような穏やかさがありました。とても美しかったです。
この記事では、【秘仏】十一面観音立像の魅力を、造形・表情・鑑賞ポイントを中心に、やさしい言葉で丁寧にご紹介します。
「仏像はよく分からない…」という方にも、安心して読んでいただけるガイドです。
奈良・大安寺へはJR奈良駅からアクセスもしやすく、観光にも便利です。
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奈良・大安寺とは|がん封じ祈祷で知られる南都七大寺
大安寺は南都七大寺の一つで、がん封じ祈祷で広く信仰を集める古刹です。広い境内には、時の流れを静かに抱くような落ち着いた空気が漂い、訪れる人をやさしく迎えてくれます。

本尊・十一面観音立像|基本情報
- 奈良時代・天平期(8世紀)に制作
- 国重要文化財
- 一木造
- 高さ:190.5cm
- 秘仏
- がん封じのご本尊
肉付き豊かで優美なプロポーションが特徴です。
普段は秘仏ですが、毎年10月1日〜11月30日の約2か月間だけ特別開扉され、お姿を拝むことができます。本像はがん封じのご利益でも厚く信仰されています。

天平彫刻の魅力が詰まった、優美な造形
像の頭部や左手には後補修があるものの、体部と台座は当初のまま良好に残されています。胸元の華麗な瓔珞(ようらく)、柔らかな布の流れを感じる条帛・裳の表現、ふわりと広がる天衣(てんね)など、天平期らしい豊かな造形美が光ります。
腹部には数珠状の飾りを持つ石帯が巻かれ、台座には菊座や対葉花文が彫られるなど、細部にいたるまで美しい意匠が施されています。
木心を残したしっかりとした体躯で造られており、天平彫刻の特徴が随所に見られます。
天平彫刻の優雅さと技の高さを感じられる、非常に貴重な作例といえます。
十一の表情が人々を救う|十一面観音の意味
十一面観音は、頭上に十一のお顔をもつ菩薩で、喜・怒・哀・楽といった多様な表情で人々の苦しみに寄り添い、慈悲の心を示します。大安寺像は、左手に宝瓶、右手に垂下与願印を結び、一切衆生の苦難を取り除く観音の働きを象徴しています。

【体験談】祈祷中は拝観が一時中断されるため、時間に余裕をもつのが安心
私が訪れた日は、ちょうど本堂で祈祷が行われていました。大安寺では本尊の前で祈祷が行われるため、その間は十一面観音さまの拝観が一時中断されます。
受付で「先に宝物殿へどうぞ」と声をかけていただき、最初に宝物殿へ向かうことにしました。
宝物殿で出会う、奈良時代の天平仏7体
宝物殿には奈良時代の天平仏が7体並び、どの仏さまも穏やかな表情で迎えてくれます。落ち着いた空間でゆっくり拝むことができ、思いのほか心が癒やされる時間でした。

祈祷後、本堂へ|薄明かりに浮かぶ十一面観音さま
祈祷が終わり本堂に戻ると、薄明かりの中にすっと立つ十一面観音さまの姿が。お線香の香りが漂う静けさの中で向き合うと、自然と呼吸が深くなり、心がすっと落ち着いていきました。
静かに立つお姿を前にすると、天平期の優美さと長い信仰の歴史が一度に押し寄せてくるような感覚があり、「今日ここに来られてよかった」と心から思えるひとときでした。
拝観のポイントまとめ
- 祈祷中は本堂での拝観が一時中断される
- 宝物殿で天平仏をゆっくり拝める
- 時間に余裕をもって訪れると安心
秋の大安寺で出会える主な仏像
- 十一面観音立像(秋季特別公開)※毎年10月1日〜11月30日の約2か月間のみ
- 宝物殿の天平仏(7体)
- 境内諸堂の仏像・石仏

まとめ|天平の美と祈りに包まれる秋の大安寺へ
大安寺の十一面観音立像は、天平仏の中でも特に優美な作例として知られ、秋季の特別拝観期間にだけ会える尊い仏さまです。静かな本堂で向き合う時間は、日常のざわめきから解放されるような心地よさがあります。
秋の奈良散策の際は、ぜひ時間にゆとりをもって、この特別な十一面観音さまに会いに行ってみてください。

奈良・大安寺|基本情報
特別拝観期間:2025年10月1日〜11月30日(期間中毎日)
所在地:奈良市大安寺2-18-1(本堂と宝物殿)
拝観料:800円(2箇所共通)
受付時間:9:00〜16:00
※詳細は公式サイトをご確認ください。
大安寺へのアクセス
JR奈良駅または近鉄奈良駅から「大安寺」行き・「シャープ前」行き・「白土町」行きの奈良交通バスに乗車→バス停「大安寺」で下車し、そこから徒歩約5~8分で大安寺に到着
詳しいアクセスは別記事で詳しくまとめています。公共交通で行く方は必ずチェックしておきたいポイントを整理しました。(※準備中)
→ 大安寺へのアクセス方法を見る(※準備中)
🇺🇸 English Summary(英語要約)
Daianji Temple’s Eleven-Faced Kannon (Important Cultural Property) is a graceful Tenpyo-period statue revealed only during the special autumn opening from October 1 to November 30. When prayers are held in the main hall, viewing is temporarily paused, so it is best to visit with extra time. The quiet atmosphere, incense, and soft light create a deeply calming experience. Don’t miss the seven Tenpyo statues in the treasure hall as well.
