- 仏像にはどんな種類があるの?
- お釈迦さまとブッダは同一人物
- 仏像巡りをもっと楽しみたい方へ|関連記事
- まとめ
- おわりに|仏像を通して心にふれる時間を
- 🇺🇸 English summary(英語要約)
- What Are the Types of Buddhist Statues?
- 1. Nyorai (Tathagata)|Enlightened Ones
- 2. Bosatsu (Bodhisattvas)|Compassionate Guides
- 3. Myo-o (Wisdom Kings)|Fierce Protectors
- 4. Ten (Deities)|Protective Gods and Goddesses
- How to Identify Buddhist Statues: 5 Key Points
- More Articles on Buddhist Statue Travel
- Conclusion
仏像にはどんな種類があるの?

仏像は大きく「如来」「菩薩」「明王」「天部」の4つに分類されます
それぞれに役割や姿が異なり、見どころも豊富です

1. 如来(にょらい)|悟りを開いた存在


如来(にょらい):苦しみを乗りこえて幸せに暮らすための方法、つまり“仏教”を広めるほとけさま
主な特徴:装飾が少なく、質素で落ち着いた姿。着衣は一枚の法衣のみのシンプルなファッションスタイル
あたま…知恵がたくさん詰まっているので、頭のてっぺんがボコッと盛り上がっています。そして、たくさんのぶつぶつは髪の毛です。長い髪の毛が1本ずつくるくると丸まり、こうした形になっています
装飾はタブー…悟りを得た如来に、世俗の飾りは必要ありません。ただし、密教の大日如来のように例外もあります
手のかたち…如来は、いろんな手の形をしています。手の形で如来の種類を見分けられることもあります。
「仏の三十二相」…お釈迦さまをかたどった如来像には、共通の32の特徴があります
- 代表例:釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、大日如来
◎如来のモデルになったのは、約2500年前にインドで仏教を始めたお釈迦さまです。お釈迦さまは、6年も厳しい修行を積み、やがて人間からほとけさまに変わりました。その姿をもとに、如来の形が生まれました。
如来(にょらい)像の種類について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧ください👇
▶ 初心者向け|如来仏像の種類と特徴をやさしく解説した記事はこちら

2. 菩薩(ぼさつ)|悟りを目指し人々を救う存在


菩薩(ぼさつ):人々に寄り添い、さまざまな願いに応えるほとけさま
主な特徴:冠や装飾品を身に着け、優美な姿。やさしい雰囲気が多い。
かお:おだやかな表情は、菩薩の特徴のひとつ。人びとを優しく見守っています
優雅なショール:上半身の肩から腰にかけて条帛(じょうはく)を斜めにかけ、両肩から天衣(てんね/ねんい)をはおり、下半身には、腰に巻くスカート状の衣服の裳(も)をつけた姿が一般的
装飾:首や腕、手首などにアクセサリーを着けています。昔のインド王子の姿がモデルになっているので、豪華なファッションをしています。
ハスの花:如来や菩薩などのほとけ様は、ハスの花から生まれてきたと考えられてきました。そのため、菩薩はハスの花にのった姿でよく表されています。
- 代表例:観音菩薩、勢至菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩
◎菩薩のモデルはお釈迦さまです。修行を始める前、お釈迦さまはインドの小さな国の王子でした。その姿をモデルに、まず観音菩薩の形が作られます。その後に、人びとの願いに合わせて、様々な菩薩が登場しました。
3. 明王(みょうおう)|怒りの形で人々を導く守護神


明王(みょうおう):悪いことをする人々を正しい方向へ導いたり、様々な悪や災いを打ち消したりするほとけさま
主な特徴:恐ろしい顔、炎の光背(こうはい)、武器を持っていることが多い。
かお:ほとんどの明王が、牙を出した憤怒の形相をしています。ほとけさまの教えに従わない人びとを怒っているのだそうです。
ほのお:背後に全身を包み込むような炎が表されている。炎には、どんな迷いや悩みも焼き尽くす力があると言われています。
服装:基本的には、菩薩と似ていて、上半身に条帛、下半身に裳をまとうスタイル。たまに獣の皮をまとった明王もいます。
宝剣が象徴:剣の力によって魔物を降伏させ、仏教の世界に引き入れます。特に不動明王には欠かせない武器です
- 代表例:不動明王、降三世明王、軍荼利明王
◎明王は、さまざまな悪や災いを打ち消すことができるほどの、とても強いパワーをもっています。強い力を持っていることを表すために、怒った表情をし、燃え盛る炎のオーラをまとうなど、恐ろしい姿をしています。
4. 天部(てんぶ)|仏教を守護する神々


天部(てんぶ):仏教の世界や仏教を信じる人びとを守ったり、人びとに福を授けたりするほとけさま
主な特徴:仏教の世界に大集合した異教の神様たち。その姿は人間に近く、大まかには武人系、天女系、鬼神系に分かれます。
武人系:甲冑:ほとけ様の世界を守るガードマンの役割を担う天もいます。甲冑を着けた姿か、上半身が裸で筋肉もりもりの姿をしています。
武人系:靴:武人像の足には、仏像には珍しい頑丈そうな靴を履いている。
武人系:邪気を踏む:岩に乗るパターンが一般的ですが、四天王はたいてい、仏教の敵である邪気を踏みつけています。
天女系:服装:中国風の着物を着ているなど、菩薩にも負けないおしゃれ好き。鎧の上に袈裟をまとうなど重ね着も上手です。
天女系:蓮華座に乗る:天女系は多くの仏さまと同じくハスの花をかたどった蓮華座に乗るのが一般的です
他にも:袖口の広い服を着たり、ズボン(袴)や靴を履いたりしていうのは天だけ。こうした服装は、主に中国や日本で生み出されました。
持ち物:武人系は武器、天女系は宝珠など、役目に応じてさまざまな持ち物を持っています。楽器を持つ天部もいます。
- 代表例:毘沙門天、弁財天、帝釈天、吉祥天、梵天
◎かつてインドの神さまで、やがてほとけさまに仲間入りしたグループです。天の形が様々なのは、いろんな姿の神さまがいたから、また色々な国や地域の信仰と結びつき、姿を変えてきたからだそうです。
仏像を見分ける5つのポイント
- 顔の表情(やさしい・怒っている)
- 服装(シンプル or 豪華)
- 装飾(冠やネックレス)
- 手の形(印相)
- 持ち物やポーズ
お釈迦さまとブッダは同一人物
お釈迦さまは「ゴータマ・シッダールタ」という実在の人物で、約2500年前にインドで仏教を開いた釈迦族の王子でした。彼が35歳で悟りを開いた後、「目覚めた者」「悟りを開いた人」という意味のサンスクリット語「ブッダ(buddha)」と呼ばれるようになりました。
「お釈迦さま」は尊称で、「釈迦族の尊い人」という意味です。「ブッダ」は本来「悟りを開いた者」を指す一般名詞ですが、仏教では特にお釈迦さまを指して使われるのが一般的です
仏像巡りをもっと楽しみたい方へ|関連記事
まとめ
仏像は種類によって姿も意味も異なります。
ほとけ様は、もともとお釈迦さまのことでしたが、仏教がインドから各国へ伝来していく途中で、仲間を増やしていきました。
人にはそれぞれ悩みや苦しみがあり、願いごとも全て違います。こうしたあらゆる人びとの、あらゆる願いを聞き入れるため、各分野の仏さまが必要になったのです。
なかには、その土地で信仰されていた神さまが、仏教に取り入れられた例もあります。
現在では膨大な種類のほとけ様がいて、それに応じた仏像の数も膨大ですが、基本的には大きく「如来」「菩薩」「明王」「天部」の4つのグループに分かれています。
この記事を参考に、仏像旅で“出会いの深さ”を味わってみてくださいね。
おわりに|仏像を通して心にふれる時間を
仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものだと思います。
そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。
それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー
仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨
そんな思いを込めて、このブログを書いています😊
🇺🇸 English summary(英語要約)
What Are the Types of Buddhist Statues?
Buddhist statues in Japan are typically classified into four main types: Nyorai (Tathagata), Bosatsu (Bodhisattva), Myo-o (Wisdom Kings), and Ten (Deities). Each has distinct roles and appearances.
1. Nyorai (Tathagata)|Enlightened Ones

Features: Simple robes, calm expressions, minimal decoration. Symbolizes ultimate enlightenment.
- Examples: Shaka Nyorai, Yakushi Nyorai, Amida Nyorai, Dainichi Nyorai
- How to recognize: Curly hair (rahotsu), cranial bump (nikkei), and symbolic hand gestures (mudras)
2. Bosatsu (Bodhisattvas)|Compassionate Guides

Features: Adorned with crowns, necklaces, and elegant clothing. Represent compassion and guidance for all beings.
- Examples: Kannon (Avalokiteshvara), Seishi, Monju, Jizo
- How to recognize: Crown, ornaments, and graceful appearance
3. Myo-o (Wisdom Kings)|Fierce Protectors

Features: Angry expressions, flames around the body, and weapons. They protect the Dharma and drive away evil.
- Examples: Fudo Myo-o, Gozanze Myo-o, Gundari Myo-o
- How to recognize: Wrathful face, fangs, fierce posture
4. Ten (Deities)|Protective Gods and Goddesses

Features: Often dressed as warriors or celestial beings. They originate from Hindu gods integrated into Buddhism.
- Examples: Bishamonten, Benzaiten, Taishakuten, Kisshoten
- How to recognize: Armor, weapons, elaborate costumes
How to Identify Buddhist Statues: 5 Key Points
- Facial expression (gentle or fierce)
- Clothing style (simple or ornate)
- Accessories (crown, necklace, etc.)
- Hand gestures (mudras)
- Objects held and posture
More Articles on Buddhist Statue Travel
- Kofuku-ji Temple (Nara): Explore the Ashura and Eight Legions Statues
- Sanjusangendo (Kyoto): The 1,000 Kannon and the Gods of Wind and Thunder
Conclusion
Understanding the different types of Buddhist statues will make your temple visits more meaningful. May this guide deepen your journey through Japan’s spiritual and artistic heritage.