永観堂（永観堂）に祀られる「みかえり阿弥陀像」は、仏さまが振り返る姿勢で私たちを見守る――そんな、ほかに類を見ない優しさあふれる仏さまです。
この像は、ただの仏像ではなく、“遅れてきた人も、迷う人も見逃さず、いつでも救いに導く”という、阿弥陀如来の慈悲と願いを体現しています。
今回の記事では、みかえり阿弥陀の歴史や由来、その造形の美しさ、そして「なぜこのような姿なのか」という背景までを、仏像初心者の方にも分かるように丁寧にご案内します。
あなたが永観堂を訪れるとき、この阿弥陀さまの振り返るまなざしに触れて、心がそっとほどけるような体験になりますように。
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【結論】みかえり阿弥陀さまは、なぜ振り返っておられるのか？
永観堂の「みかえり阿弥陀さま」が後ろを振り返っておられるのは、遅れている人を気遣い、置いていかないためだと伝えられています。
本来、阿弥陀如来は極楽へ導くために前を向いて進む仏さまですが、永観堂の阿弥陀さまだけはふっと後ろを振り返り、まるで「大丈夫、あなたのペースで来ていいよ」と語りかけてくださるような優しい姿をされています。
この振り返りのお姿は、永観律師（えいかんりっし）が念仏行をしていた際、阿弥陀さまが先導して歩かれる光景を見たという伝承から生まれました。永観律師が遅れたとき、阿弥陀さまが静かに振り返り、待ってくださった――その姿を写し取ったものとされています。
永観堂の「みかえり阿弥陀」とは
- 阿弥陀如来立像（通称：みかえり阿弥陀像）
- 平安時代末期作、木造寄木造漆箔
- 像高約77cm
- 伝説「永観、遅し」
- 慈悲を表現した振り返る姿勢
永観堂で最も愛されている仏さまが、この「みかえり阿弥陀さま」です。阿弥陀如来が体をひねって振り返るという珍しい造形で、日本全国を見てもほとんど例がありません。優雅さと慈しみに満ち、訪れた人を惹きつける特別な存在です。
みかえり阿弥陀さまの歴史と伝承
伝承によれば、永観律師が念仏を称えながら修行していたとき、阿弥陀さまが先導して歩かれました。永観律師がその歩みに追いつけず立ち止まった際、阿弥陀さまは後ろを振り返り、優しくこう語られたと伝えられています。
「永観、遅し」
この一言に込められた慈悲深い心が、現在の「見返り阿弥陀さま」のお姿として伝わっているのです。
みかえり阿弥陀さまの魅力
- 体をひねり、振り返る珍しい造形
- 見る角度によって表情が変わる観音的な優しさ
- 「待ってくださる仏」として多くの人を励ます存在
- 柔らかな光に包まれた堂内の落ち着いた空気感
感想｜実際にお会いして
体は前を向いたまま、顔だけを柔らかく振り返るお姿は、まるで人々を見守り、足を止めて振り返る大切さを教えてくれるようでした。真横近くまで寄って振り返るお姿を見る貴重な体験が出来ました。参拝時はぜひこの像を近くから鑑賞することをお勧めします🙏✨
境内の雰囲気
阿弥陀堂に安置された「みかえり阿弥陀像」は、堂内の静けさとともに特別な時間を感じさせます。境内には本堂、多宝塔、放生池などもあり、四季折々の景観を楽しめます。特に紅葉シーズンは境内全体が彩りに包まれ、阿弥陀堂を拝観した後の散策も魅力です。
どの季節に訪れても感動できる
「もみじの永観堂」と呼ばれるように、秋の紅葉は圧巻です。昼間の鮮やかな紅葉に加え、夜間ライトアップでは池に映る幻想的な紅葉も楽しめます。
みかえり阿弥陀像の拝観とあわせて、紅葉に包まれる境内を歩くと、心に深く残る体験となるでしょう。
紅葉シーズンは特に混雑するため、早朝や平日の拝観がおすすめです。
拝観情報・アクセス
- 拝観時間：9:00～17:00（受付終了16:00）
- 住所：京都市左京区永観堂町48
- アクセス：バス：京都駅から市バス「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約3分
- アクセス：電車：地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩15分。
詳しい情報、最新情報は▶︎禅林寺（永観堂）公式サイトにてご確認ください。
周辺おすすめスポット
- 南禅寺（なんぜんじ）：水路閣と三門が有名。永観堂と徒歩圏内。
- 平安神宮：広大な神苑と朱塗りの大鳥居が印象的。
まとめ｜みかえり阿弥陀さまは「あなたを気遣う阿弥陀さま」
後ろを振り返るという珍しいお姿は、ただの造形ではなく、「どんな人も置いていかない」という深い慈悲が形になったもの。永観堂を訪れるなら、まずはこの阿弥陀さまに会いに行ってください。静かに心が満たされる時間が待っています。
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おわりに｜仏像を通して心にふれる時間を
仏像の世界は、本当に、奥深くて、美しくて、人の心に静かに響くものだと思います。
そこには、言葉にしきれない感動や、目の前の仏像から伝わってくる優しさ、強さ、そして静けさがあります。
それを理解できる人は少ないかもしれないけれど、私が発信し続けることで、「なんかいいかも」って思ってくれる人が、きっと少しずつ増えていくーーー
仏像の魅力を、もっともっと、世の中に伝えていけますように🙏✨
そんな思いを込めて、このブログを書いています😊
🇺🇸 English Summary（英語要約）
The “Looking-Back Amida Buddha” at Eikando is famous for its unique pose—turning gently over the shoulder as if waiting for those who have fallen behind. This rare figure is based on a legend in which Amida Buddha paused and looked back to encourage the monk Eikan during his practice. Filled with compassion and grace, the statue continues to comfort visitors with its message: “You may walk at your own pace.” The serene atmosphere of the hall and the beauty of Eikando, especially in autumn, make this one of Kyoto’s most unforgettable spiritual encounters.
