はじめに:1001体の千手観音「三十三間堂」

仏像好きな私が訪れたかった場所
京都「三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)」
圧倒的な数と存在感を放つ千手観音像たちに出会い、心が整うような感動を味わいました
三十三間堂の御仏像方
【国宝】千手観音坐像
本堂中央に鎮座する本尊で、国宝に指定されています
像高は約3.35メートル(台座・光背を含めると約7メートル)
千手観音は「千本の手と目を持つ」とされ、実際には四十二本の手で「千手」を象徴しています
鎌倉時代後期、大仏師・湛慶(たんけい)らによって制作されました
檜材の寄木造、漆箔(漆で金箔を貼る技法)で仕上げられています
【国宝】千体千手観音像
本尊の左右に1,001体の千手観音立像が並びます(2018年より国宝指定)
像高は約166~167センチで、頭上に十一面、両脇に四十手(実際は四十二手)を持つ姿です
平安時代(創建当初)と鎌倉時代(再建時)に制作され、室町時代に1体追加されています
それぞれの像には番号が振られており、表情や細部が異なります
仏像の顔は一つ一つ特徴があり、「会いたい人に似た像が必ずある」とも言われています
堂内には合計1001体が安置され、黄金の海のような光景が広がっています
【国宝】二十八部衆像
千手観音の眷属(守護神)として本尊の周囲に配置されています(28体、国宝)
鎌倉時代の作とされ、四天王や金剛力士なども含まれます
古代インドに起源をもつ神々で、千手観音菩薩に従い仏教とその信者を守護します
二十八部衆像は、四天王や女神、異形の神、動物神など多様な姿で表され、それぞれが仏教世界の多様性や仏法の広がりを象徴しています
ほぼ等身大で、間近で見られるのも魅力です
【国宝】風神・雷神像
本堂内に安置されている国宝指定の仏像で、像高は風神が111.5cm、雷神が100cmです
ともにヒノキ材の寄木造で、玉眼が嵌められ、本来は彩色されていました
これらの像は、インドの自然神が仏教に取り入れられたもので、仏法や仏教世界を守護する役割を持っています
なお、千手観音の眷属(守護神)は二十八部衆であり、風神・雷神は二十八部衆には含まれません
しかし、三十三間堂では千体観音像の前に二十八部衆像とともに並べて安置されています
幻想的な堂内の雰囲気
薄暗い堂内に金色の観音像が浮かび上がる光景は、まさに幻想的
荘厳な静寂に包まれ、心がすっと整っていくような感覚を味わえます
📍特に心に残った御仏像
★【国宝】中央の千手観音坐像:高さ約3.5m、光背含め約7mの圧倒的存在感
誰もが思わず手を合わせたくなる存在感
背中側も拝観できるのですが、その姿に圧倒されます
★【国宝】二十八部衆像「迦楼羅王(かるらおう)」:鳥形の神で、毒や悪を喰らう存在。浄化や悪の除去の象徴
二十八部衆の中で唯一「顔そのものが鳥獣」である像で、伝説の巨大な鳥・金翅鳥(こんしちょう、ガルーダ)の神格化された姿を持ち、非常に個性的な造形で知られています
日本の「烏天狗(からすてんぐ)」のもとになりました
くちばしと羽があり、横笛を吹きながらリズムをとって少し浮かせた足、異彩を放った存在感に魅入ってしまいました
寺院の基本情報
- 名称:三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)(正式名称:蓮華王院)
- 住所:京都府京都市東山区三十三間堂廻町657
- 公式サイト:https://www.sanjusangendo.jp/
- 拝観料:大人 600円、中高生 400円、小学生 300円
※最新情報は公式サイトにてご確認ください

(↑2022年10月当時のチケットとパンフレット)

(↑2024年10月当時のチケットとパンフレット)
「三十三間堂」という名称は
本堂内陣に33の柱間(けん)があることに由来し
観音菩薩が33の姿に変化して人々を救済するという仏教の教えに基づいています
日本を代表する歴史的・文化的建造物の一つです
三十三間堂の歴史案内(境内の説明板より)
三十三間堂の入口にあった案内板には、次のように記されていました(2025年6月撮影)

毎年正月には「通し矢」が行われることでも知られ、歴史と信仰が息づく場所として多くの参拝者に親しまれています。

🚌 アクセス方法(公共交通メイン)
- 市バス:京都駅前→「博物館・三十三間堂前」下車(約10分/230円)
- 徒歩:京都駅から約20分(約1.4km)
- タクシー:所要時間5〜10分/料金約800円
- 電車:JR奈良線→東福寺→京阪本線→七条駅下車 徒歩7〜8分(全体で約20分)

※2025年6月現在、バスは寺院に近くて便利ですが、行きも帰りもバス停では行列に並ぶことが多く、車内も混雑しています💦気候が良く体力に余裕があれば、街並みを楽しみながら徒歩で向かう方が、かえってスムーズかもしれません。
周辺のおすすめスポット|京都国立博物館
三十三間堂の正面に位置する「京都国立博物館」は、日本の歴史や美術に関する貴重なコレクションを多数収蔵する文化施設です。明治時代に設立され、現在の本館(平成知新館)は近代的なデザインで、常設展示・特別展ともに見応えがあります。
仏像や仏教美術に関する展示も充実しているため、三十三間堂を訪れたあとに立ち寄ると、より深く理解を深めることができます。館内は落ち着いた雰囲気で、静かに鑑賞できるのも魅力。カフェやミュージアムショップも併設されており、ひとり旅でもゆっくり楽しめます。
▶ 京都国立博物館 公式サイト: https://www.kyohaku.go.jp/

✍️ 追記(余談):特別展「日本、美のるつぼ」に行ってきました!

少し余談ですが、大阪・関西万博開催記念 特別展「日本、美のるつぼ」(2025年4月19日〜6月15日開催)に行ってきました🙌
タイトル通り、「日本美術の名品が一挙集結」という内容で、見応えは圧巻!まさに“もう二度と見られないかもしれない”名宝たちをじっくり鑑賞してきました
ー特に心に残った御仏像はこちら👇ー
- 国宝 五智如来坐像(京都・安祥寺)
- 重要文化財 宝誌和尚立像(京都・西往寺)
- 羅怙羅尊者像(京都・万福寺)
- 韋駄天立像(京都・万福寺)
いずれも、力強さと静けさを兼ね備えた存在感に圧倒されました。仏像ファンにはたまらない展示でした✨
仏像好きさんにぜひハシゴして頂きたいスポットです🙏✨
まとめ:全てが【国宝】三十三間堂
仏像好きにはたまらない魅力がぎっしり詰まったお堂です
京都駅からのアクセスも良く
1度の訪問で1001体の観音像や風神・雷神、二十八部衆像と出会える貴重な体験ができます
ぜひ、あなただけの「推し仏像」を見つけてください
「仏像が好き」「ひとりでゆっくり心を整えたいな」と思っている誰かに届きますように🍀
※本記事内の写真はすべて筆者が撮影したものです
🇬🇧 English Summary(英語要約)
Sanjusangendo Temple in Kyoto: A Spiritual Encounter with 1,001 Kannon Statues
As a lover of Buddhist statues, visiting Sanjusangendo Temple in Kyoto was a long-awaited dream. Inside the hall, I was moved by the overwhelming presence of 1,001 golden standing statues of the Thousand-Armed Kannon and the grandeur of the central seated Kannon statue—both designated as National Treasures.
The statues, created during the Heian and Kamakura periods, each have unique facial features. It’s often said, “You’ll find a statue that resembles someone dear to you.” Among them, the 28 Guardian Deities and the Wind and Thunder Gods add to the mystical and dynamic atmosphere of the hall.
Especially unforgettable was the Kongo Rikishi-like figure of Karura-ō, a bird-headed deity who devours evil. Its distinctive appearance captivated me.
The dimly lit hall with rows of gold statues offers a sacred and peaceful experience—perfect for those seeking quiet reflection.
📍Located just 10 minutes by bus from Kyoto Station, it’s easily accessible even on a solo trip. You can also enjoy the Kyoto National Museum right across the street, which often hosts fascinating exhibitions on Japanese Buddhist art.
🖼 Bonus: I also visited the special exhibition “Japan: A Cradle of Beauty” held in celebration of the Osaka-Kansai Expo 2025. It featured masterworks of Japanese art, including several stunning Buddhist statues. Highly recommended for fellow statue enthusiasts!