奈良・仏像館|金剛力士像の阿形吽形に心ふるえるひとり旅

仏像旅

奈良国立博物館・仏像館|迫力満点の金剛力士像を拝む

奈良国立博物館の敷地内にある「仏像館」に、今回で4回目の訪問となりました

通常は一般700円の観覧料が必要ですが、今回は「超 国宝」展のチケット提示で無料に!お得に名仏像たちを堪能できる貴重な機会でした

📍印象に残った御仏像方

金峯山寺仁王門 木造金剛力士立像(2028年までの期間限定)

金剛力士像の阿形吽形

※本記事に掲載している仏像写真は、奈良国立博物館の撮影可能展示物を個人で撮影したものです。掲載にあたっては、同館の撮影ルールに従っています。

  • 東大寺南大門像に次いで、国宝・重要文化財指定の仁王像としては日本で2番目に大きい
  • 像高約5メートルの巨大木造仏
  • 忿怒相(ふんぬそう)と全身にみなぎる力動感が特徴で、見る者を圧倒する迫力を持っています
  • この展示は仁王門修理完了までの期間限定公開(2028年までの予定)

巨大な仁王像を至近距離で撮影OKなのも魅力!間近で見ると、その迫力と存在感に「うわ〜っ!」と声が出るほどです

💡阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)とは

奈良・仏像館に展示されている**金剛力士像(仁王像)**は、圧巻の迫力を誇る一対の仏像です。この2体は、それぞれ「阿形(あぎょう)」と「吽形(うんぎょう)」と呼ばれ、仏教の深い世界観を象徴しています。

基本的な違い
項目阿形(あぎょう)吽形(うんぎょう)
口の形口を開けている(「阿」の音)口を閉じている(「吽」の音)
象徴宇宙や物事の始まり
創造・陽・命の誕生
宇宙や物事の終わり
収束・陰・死・悟り
表情怒りを表に出した表情怒りを内に秘めた表情
立ち位置向かって右側に立つ向かって左側に立つ
仏教的・象徴的な意味

「阿吽(あうん)」は、サンスクリット語の最初と最後の音を表しており、
**“あらゆる物事の始まりと終わり”**を象徴します。これは宇宙の全体性、命のサイクルそのものを示す重要な概念です。

また、呼吸にたとえて「阿」は吐く息、「吽」は吸う息とされ、**「阿吽の呼吸」**という日本語の語源にもなっています。

さらに、金剛力士像だけでなく、狛犬や獅子像なども阿形・吽形の一対で安置されることが多く、古来より私たちの生活の中にもその思想が息づいています。

金剛力士像の「阿形」と「吽形」は、単なるポーズの違いではなく、
「始まり」と「終わり」「動」と「静」、**「陽」と「陰」**といった仏教の深遠な世界観を表す、非常に意味深い存在です。

奈良国立博物館・仏像館でこの2体の金剛力士像と向き合えば、
その造形美だけでなく、仏像が語りかけてくる精神性の深さにも、心を動かされます。

伽藍神立像(がらんしんりゅうぞう)

  • 「走っている姿」で有名な仏像で、頭巾をかぶり、袍と袴を着て、手を大きく振って疾駆(しっく)する姿で表現されており、非常に躍動感に溢れています
  • 禅寺で僧の食事を守る神であり、怠け者の僧侶には木槌でこらしめる、やや怖い神様としての一面も持っています

躍動感があり、私には可愛らしく見えました

獅子(文殊菩薩像の台座)

  • 文殊菩薩像(もんじゅぼさつぞう)の獣座(台座)として制作された像です。もともと背中に文殊菩薩像を乗せていましたが、現在はその文殊菩薩像の所在は不明です
  • 群青や緑青で彩られ、截金による毛筋表現が美しい
  • 四肢や関節の配置が絶妙で、筋肉の盛り上がりや骨格の表現も写実的です

お尻から後ろ足にかけてのリアルな筋肉の盛り上がりに釘付けになりました。昔飼っていた愛犬の後ろ姿に似ていました

如来三尊像(重文)

  • 中国・西安 宝慶寺伝来の石仏群の一つ
  • 唐代の作とされ、三尊形式(中央に如来、左右に菩薩)
  • 東アジア仏教美術の広がりを感じる貴重な展示

白く縦長の石の中央に三尊が彫られていました。日本の仏像とはまた違う美しさを感じました。

地下通路も充実!

「仏像館」と特別展が行われている「東新館」「西新館」は地下通路でつながっており、その途中には奈良国立博物館ならではの立ち寄りスポットが満載です

  • ちえひろば:子どもから大人まで無料で学べる体験スペース
  • ミュージアムショップ:仏像や奈良モチーフのオリジナルグッズが揃います
  • レストラン&カフェ:ランチセットや美味しいスイーツも楽しめます↓↓
  • 休憩スポット:自動販売機やベンチがあり、ひと休みできます

さらに、連絡通路には歴史的建造物や仏像の写真展示があり、こちらはなんと無料で観覧可能

展示エリア以外にも、見どころがたくさんあるのが奈良国立博物館の魅力です

奈良国立博物館・仏像館の基本情報

  • 住所:〒630-8213 奈良市登大路町50番地
  • 観覧料金:一般 700円 / 大学生 350円
  • 公式HP:奈良国立博物館

奈良国立博物館の仏像館は、明治27年(1894)に完成した、奈良最初の本格的西洋建築

飛鳥時代から鎌倉時代までの国宝・重要文化財を含む仏像が常時約100体も展示されており、日本随一の仏像専門展示施設として知られています

2025年6月現在は、金峯山寺の木造金剛力士立像(重要文化財)が特別公開中

🚌 アクセス(公共交通)

JR奈良駅から

  • 徒歩:約28分(約1.9km)
  • バス:「市内循環・東回り」で「氷室神社・国立博物館」下車、徒歩約2分
Screenshot

近鉄奈良駅から

  • 徒歩:約10分(約800m)
  • 1番出口から登大路通りを東へ。興福寺を通り抜けた先、正面に仏像館があります

⛩️ 周辺のおすすめ寺社仏閣

  • 興福寺:博物館のすぐ隣。五重塔や阿修羅像で有名な古刹です
  • 東大寺・春日大社:どちらも徒歩15分ほど。奈良を代表する歴史スポットを一緒に巡るのもおすすめ

おわりに|仏像と向き合う、特別なひととき

奈良国立博物館の仏像館は、仏教美術や仏像に関心のある方はもちろん、少しでも歴史やアートに興味がある方なら誰でも楽しめる場所です

一体一体の仏像が持つ表情や力強さ、そしてそこに込められた祈りに触れることで、心がすっと整っていくような不思議な感覚になります

今回は無料で観覧しましたが、仏像好きな私にとって観覧料金払っても価値のある展示会です

また、期間限定の展示も多いので、気になる方は早めの訪問や定期的な訪問をおすすめします

博物館は天候に左右されず、ゆったりと歴史や文化に浸れる素敵な空間です

私もまた訪れたいと思います😊

↓記念スタンプ↓

ホテル選びのコツ

宿泊はJR奈良駅または近鉄奈良駅の徒歩5分圏内が便利です

近鉄線で奈良に来るなら近鉄奈良駅周辺がアクセス良好ですが、

長期滞在や周辺エリアまでの観光を予定しているなら、JR奈良駅周辺が特におすすめ💡

スーパーやコンビニ、ドラッグストア、100円ショップなど、生活に便利なお店が揃っています


「仏像が好き」「ひとりでゆっくり心を整えたいな」と思っている誰かに届きますように🍀

※本記事内の写真はすべて筆者が現地で撮影したものです

🇺🇸 英語要約(English Summary )

Discover Buddhist Art at Nara National Museum: A Must-Visit for Sculpture Lovers

Located in the heart of Nara, the Nara National Museum’s Buddhist Art Gallery is home to over 100 stunning statues from the Asuka to Kamakura periods. This season, a powerful guardian statue from Kinpusenji Temple—one of Japan’s largest wooden Niō—makes a special appearance. Entry is free with a ticket to the “Super National Treasures” exhibition. Dive into Japan’s spiritual heritage through awe-inspiring Buddhist sculptures.

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