仏像好き必見!奈良「興福寺」の見どころ&アクセスガイド
奈良「興福寺(こうふくじ)」とは?
世界遺産にも登録されてる奈良を代表する歴史あるお寺
境内には五重塔や東金堂、南円堂、北円堂など多くの国宝・重要文化財が点在しています

※五重塔は外観のみ撮影可エリアにて撮影したものです(2023年12月に撮影)
📍特に心に残った御仏像
国宝館|【国宝】阿修羅像(あしゅらぞう)八部衆
- 三面六臂(さんめんろっぴ):三つの顔と六本の腕を持つ姿で表現されます。正面の顔は少年のような憂いを帯びた穏やかな表情、左右の顔はやや感情的な表情をしています
- 阿修羅はもともとインド神話やヒンドゥー教の神格で、仏教に取り入れられてからは「八部衆(はちぶしゅう)」の一尊として、釈迦を守護する役割を担います
- 表情の豊かさ:従来の武神的で猛々しい阿修羅像とは異なり、興福寺の阿修羅像は繊細で憂いを帯びた美少年のような姿が特徴です
- 仏像ブームの火付け役:その美しさやミステリアスな雰囲気から、現代でも多くの人々を惹きつけ、仏像ブームの象徴的存在となっています
国宝館|【国宝】五部浄像(ごぶじょうぞう)八部衆
- 八部衆の「天」:五部浄像は八部衆の中で「天」にあたり、興福寺では八部衆の最初にこの像を配置し、天部像の代表としています
- 現存部位:大部分を欠損しており、現存しているのは頭部から胸部までの上半身のみですが、残された上半身からは力強さと神秘性が感じられます。像高は約50cm
- 象の冠:頭に陸上最大の動物である象をかたどった冠をかぶっているのが最大の特徴で、正面を凝視する独特の表情が印象的です
- 表情の魅力:阿修羅像に並ぶ人気を持ち、象の冠と正面を見据える表情に心を惹かれる人も多いです
国宝館|【重文】木造弥勒菩薩半跏像(厨子入り)(みろくぼさつはんかぞう)
- 半跏思惟像(はんかしゆいぞう):右足を左膝に乗せ、右手の指先を頬に当てて思索する姿勢が特徴です。これは弥勒菩薩が未来に如来となる時を思索している姿を表します
- 弥勒信仰:弥勒菩薩は釈迦の後継者として、56億7千万年後にこの世に現れ、人々を救済するとされる未来仏です。この像はそうした弥勒信仰を象徴しています
- 小像ながら精緻な造形:小ぶりながらも端正な顔立ちと落ち着いた思索の姿が印象的です
- 厨子との一体感:厨子内部の彩色画や装飾と仏像が一体となり、信仰空間としての完成度が高い点が魅力です
国宝館|【国宝】天燈鬼・龍燈鬼立像 (てんとうき・りゅうとうきりゅうぞう)
- 天燈鬼像は2本の角と3つの目を持ち、左肩に燈籠を乗せて左手で支えています。口を大きく開き、やや横目で前方をにらむ表情が印象的です
- 龍燈鬼像は、上半身に龍を巻き付け、右手でその尻尾をつかみ、頭上に燈籠を乗せて上目づかいで見上げています。滑稽でユーモラスな表情が特徴です
- 四天王像に踏みつけられるだけだった邪鬼が、独立した存在として仏前を照らす役割を担うという発想自体が、仏像彫刻史上極めて珍しいものです
中金堂|【重文】木造薬王菩薩・薬上菩薩立像(やくおう・やくじょうぼさつりゅうぞう)
- 兄弟の菩薩:薬王・薬上菩薩は兄弟の菩薩で、共に良薬を人々に授け、心身の病を癒すと伝えられます
- 古式の脇侍:釈迦如来像の脇侍(わきじ)として文殊菩薩・普賢菩薩ではなく薬王・薬上を配するのは古い形で、興福寺の伝統を伝えています
- 姿態:両像とも本尊側の膝をわずかに曲げ、外側の足に重心を置いた姿で、豊かな肉づけや整った体躯は奈良時代の乾漆像を思わせます
- 巨像の迫力:像高約3.6mの堂々たる立像で、堂内でもひときわ存在感を放っています
- 造形美:鎌倉時代の仏師による写実的で豊かな造形、穏やかな表情が魅力です
おすすめスポット3
No.1 「国宝館(こくほうかん)」
国宝・阿修羅像をはじめ、多くの仏像や絵画、工芸品が展示されています
特に印象に残った仏像:
- 【国宝】阿修羅像(あしゅらぞう)八部衆
- 【国宝】五部浄像(ごぶじょうぞう)八部衆
- 【重文】木造弥勒菩薩半跏像(厨子入り)(みろくぼさつはんかぞう)
- 【国宝】天燈鬼・龍燈鬼立像 (てんとうき・りゅうとうきりゅうぞう)
大好きな空間なので、1〜2時間はあっという間に過ぎてしまいます
No.2 「中金堂(ちゅうこんどう)」
2018年に再建されたので、とても色鮮やかで荘厳な空間が魅力です
とても広い空間の中に堂々と立っている仏像等は際立って見えます
特に印象に残った仏像:
- 【重文】木造薬王菩薩・薬上菩薩立像(やくおう・やくじょうぼさつりゅうぞう)
No.3 「東金堂(とうこんどう)」
内部には本尊薬師如来を中心に、国宝・重要文化財の仏像が数多く安置されています。特に日光・月光菩薩や四天王像は、日本仏教美術の傑作として高く評価されています
※これら3箇所はすべて有料ですが、共通拝観券(1,600円)を使えばお得に巡れます
興福寺の見どころ
五重塔
高さ約50mの木造五重塔は、奈良のシンボル的存在。一層目には四方に薬師三尊像、釈迦三尊像、阿弥陀三尊像、弥勒三尊像が安置されています。内部の見学は特別拝観時のみ
※2025年6月時点現在、保存修理工事のため外観も残念ながら見れませんでした。。。


★国宝館

館内の中心には高さ5メートルを超える千手観音菩薩立像(国宝)が安置され、また世界でも有名な「阿修羅像(国宝)」や、旧東金堂本尊の「銅造仏頭(国宝)」も展示されています。この仏頭は昭和初期に東金堂修理の際、本尊薬師如来の台座下から発見された逸話でも有名です

さらに、仏像だけでなく絵画、工芸品、古文書、歴史資料、考古遺物など、寺の歴史を伝える貴重な宝物が多数収蔵されています。館内にはミュージアムショップも併設されており、仏像をモチーフにしたオリジナルグッズなども購入できます
★東金堂
国宝に指定されている建物です
堂内には、本尊である室町時代作の銅造薬師如来坐像を中心に、日光・月光菩薩立像(白鳳時代、重要文化財)、文殊菩薩坐像(国宝)、維摩居士坐像(国宝)、十二神将立像、四天王立像などが安置されています
★中金堂
興福寺伽藍の中心に位置する本堂で、藤原不比等によって710年に創建されました
2018年に約300年ぶりに創建当初の規模と様式で再建され、正面37m・側面23mの壮大な寄棟造、本瓦葺き、単層裳階付きの建築が特徴です
内部には金色に輝く本尊・釈迦如来坐像を中心に、四天王立像(運慶工房作と伝わる国宝)などが安置されており、堂内の仏像群は奈良仏教美術の粋を集めています。何度も焼失と再建を繰り返した歴史を持ち、現在の中金堂は創建時の姿を忠実に復元したものとして、現代にその精神と美を伝えています
南円堂・北円堂
南円堂は藤原氏の繁栄を祈願して建立され、北円堂は興福寺境内で現存する最古の建物の一つです。内部は通常非公開ですが、外観は自由に拝観できます

この階段を上がった先にあります
三重塔
鎌倉時代に再建された三重塔も国宝。内部は通常非公開ですが、7月7日に特別開帳されることがあります
境内散策
奈良公園と一体化した美しい景観が魅力(24時間自由に散策可能)
鹿さんたちも居ますよ🦌✨
興福寺の基本情報
- 住所:奈良県奈良市登大路町48
- 公式サイト:https://www.kohfukuji.com/
拝観料(2025年4月〜改定)
施設名 | 大人 | 中高生 | 小学生 |
---|---|---|---|
中金堂 | 500円 | 300円 | 200円 |
東金堂 | 500円 | 300円 | 200円 |
国宝館 | 900円 | 800円 | 500円 |
3か所共通拝観券:大人1,600円/中高生1,100円/小学生600円
御朱印:500円
興福寺の拝観券はこんなデザインでした↓
表紙にも建物の美しさが表現されていて、訪れる前からワクワク…

(2025年5月現在のチケットとパンフレット)
🚌 アクセス方法(公共機関)
アクセスは良好で、近鉄奈良駅から徒歩約5分、JR奈良駅からも徒歩15分ほどです
💡徒歩がおすすめです
JR奈良駅から
- 徒歩:約15分(約1.2km)
- タクシー:約5分(距離により変動)
- バス:JR奈良駅東口から奈良交通バス(市内循環バスなど)に乗車し、
- 「県庁前」下車 徒歩2分(乗車時間約5分/250円)

近鉄奈良駅から
- 徒歩:駅の東改札から2番出口を出て約5分〜10分
- バス:市内循環バス利用可だが徒歩の方が便利です

ちょっと休憩スポット
和カフェ
興福寺の参拝後、徒歩わずか1分ほどの場所にある
「柳茶屋・奈良茶飯(Yanagi Matcha Cafe)」に立ち寄りました

日本家屋をそのまま活かした、とても雰囲気のある和カフェで、
和スイーツと食事の両方を楽しめるのが魅力です

畳敷きの和室からは、静かに水を湛える「猿沢池」を一望でき、ゆったりとした時間が流れていました
私がいただいたのは、名物の「奈良茶を使った鯛茶漬け」 1,500円(2025年5月時点)

香ばしい奈良茶とふっくらした鯛が絶妙にマッチしていて、体も心もじんわり癒されるような美味しさでした
日本家屋の風情、畳のぬくもり、そして丁寧に作られた和食
改めて「日本の良さ」を感じられる、そんなひとときでした😊
「猿沢池(さるさわいけ)」
周りにベンチが沢山あるので、池を眺めながら鹿さんと一緒にゆっくり休憩するのもおすすめです

「猿沢池(さるさわいけ)」とは:奈良公園内にある周囲約360メートルの池で、興福寺五重塔や柳が水面に映る美しい景観で知られ、「南都八景」の一つに数えられる名所です
池の周囲にはベンチや散策路が整備され、観光スポットや休憩場所としても人気です
まとめ|仏像に癒される時間を、興福寺で
ー 仏像に会いたくなったら、まずは奈良・興福寺へ ー
アクセスも良く、心が整う仏像の数々に出会えます
「阿修羅像」や「千手観音」、「天燈鬼・龍燈鬼」など、魅力的な仏像と静かな時間が、あなたを待っています
「仏像が好き」「ひとりでゆっくり心を整えたいな」と思っている誰かに届きますように🍀
※本記事に掲載している写真はすべて筆者が撮影したものです
🇺🇸 英語要約(English Summary )
Must-See for Buddha Statue Lovers! A Comprehensive Guide to Kōfuku-ji Temple in Nara
What is Kōfuku-ji Temple?
Located in Nara and registered as a UNESCO World Heritage Site, Kōfuku-ji is a historically significant temple with iconic structures such as the Five-Story Pagoda, Tōkondō (East Golden Hall), Nandendō (Southern Octagonal Hall), and Hokuen-dō (Northern Octagonal Hall). Many of these are designated National Treasures or Important Cultural Properties.
Highlight Statues in the National Treasure Museum
- Ashura (Asura) Statue [National Treasure]: Known for its three faces and six arms, the Ashura statue is both delicate and expressive. Unlike traditional fierce warrior-like representations, this version shows a sorrowful, youthful face and has captivated many modern fans.
- Gobu-jō Statue [National Treasure]: Representing one of the Eight Legions, this upper-body fragment is known for its elephant-shaped crown and intense gaze.
- Maitreya Bodhisattva in Meditation [Important Cultural Property]: A small wooden statue in a half-lotus pose, symbolizing deep contemplation and future salvation.
- Tentōki & Ryūtōki [National Treasures]: Humorous demon figures that hold lanterns — rare in Buddhist sculpture, where demons typically serve as footstools for guardian deities.
Chū-kondō Hall Highlights
- Yakushiō & Yaku-jō Bodhisattvas [Important Cultural Properties]: Brother deities of healing, standing at 3.6 meters tall, radiating presence and ancient artistic beauty.
Top 3 Recommended Spots in Kōfuku-ji
- National Treasure Museum – Home to the famous Ashura, Gobu-jō, and other priceless Buddhist statues and artifacts.
- Chū-kondō (Central Golden Hall) – Reconstructed in 2018, this colorful and grand main hall is filled with majestic statues including the healing bodhisattvas.
- Tō-kondō (East Golden Hall) – Houses the Yakushi Nyorai as the principal deity, surrounded by several renowned statues including Nikkō, Gakkō, and Four Heavenly Kings.
Other Highlights
- Five-Story Pagoda – About 50 meters tall and symbolizing Nara, though currently under restoration (as of June 2025).
- Halls & Pagodas – The temple complex includes the Southern and Northern Octagonal Halls, a Three-Story Pagoda (open only on July 7), and many freely accessible outdoor spots within the scenic Nara Park — often populated by deer.
- National Treasure Museum Extras – Also features paintings, crafts, historical documents, and a museum shop offering unique Buddha-themed items.
Visitor Info
- Address: 48 Noboriōji-chō, Nara City, Nara Prefecture
- Official Website: https://www.kohfukuji.com
- Admission (as of April 2025):
- National Treasure Museum: Adults ¥900
- Chū-kondō & Tō-kondō: Adults ¥500 each
- Combined Ticket: Adults ¥1,600
- Goshuin (Temple Seal): ¥500
Access (Public Transport)
- From Kintetsu Nara Station: 5-minute walk
- From JR Nara Station: 15-minute walk or 5-minute taxi ride
- Bus access also available
Walking is highly recommended for the full scenic experience.