秋の博多にやってくる恒例イベント「博多旧市街ライトアップウォーク」。その中でも、真言宗の古刹・東長寺のライトアップは、訪れる人の心を静かに照らします。
昼間の東長寺は穏やかで開かれた空気に包まれていますが、夜になると、光が祈りを映し出すように伽藍を包み込み、まるで別の世界へと誘われるようです。
今回は、その幻想的な夜の東長寺を歩いてきました。
はじめに
これまでこのブログでは、京都や奈良の寺院で出会った仏像の魅力を中心に、「心が整う旅」を綴ってきました。
静かな堂内で仏像と向き合う時間は、忙しい日々の中でふっと呼吸が深くなるような、私にとって大切なひとときです。
そんな中でふと気づいたのは、地元・福岡にも、同じように心が落ち着く神社やお寺がたくさんあるということ。
これからは、京都・奈良での「心が整う旅」を原点にしながら、地元・福岡で出会う神社仏閣の魅力も発信していきたいと思います。
夜の東長寺へ｜博多旧市街ライトアップウォーク2025体験記
訪れたのはライトアップウォーク2025の初日。
開催時間の17:30の少し明るい空とライトアップが混ざる情景は、まだ日が暮れておらず、ライトアップ感は少なめでしたが、夕暮れの柔らかな光に包まれた伽藍を見られたのは、ある意味とても貴重な時間でした。
光が完全に灯る前の静かな時間。その数分にしかない“移ろいの美しさ”が、何より心に残りました。そして、まだその時間帯は観客も多くなく、その静けさがかえって心地良く感じました。
光に包まれる五重塔と福岡大仏
やがて辺りが暗くなると、東長寺の象徴である朱塗りの五重塔は、やわらかな光に照らされて金色の装飾が浮かび上がっていました。
光が塔の層をなぞるように照らし出し、まるで極楽浄土のような荘厳な雰囲気に。
そして、大仏殿の中では、福岡大仏さまが暗闇の中から静かに浮かび上がっていました。
昼間は堂内の光のもとで穏やかな表情を見せるお姿も、夜のライトアップではより柔らかく、包み込むような優しさを感じました。
静寂の中で感じた“心が整う時間”
境内を歩いていると自分の砂利を踏む音が響き、光の中に静寂が溶けていくようでした。
本堂の壁にはプロジェクションマッピングが映し出され、動物や自然のモチーフが光の中でゆるやかに舞っていました。
その光景は派手さよりも、静かな祈りのリズムのようで、見つめるほどに心が穏やかになっていきました。
夜の東長寺は、華やかさよりも“静けさの美”を感じる場所でした。
ライトアップで出会う仏教美の世界
ライトアップウォークの期間中、東長寺では本堂や六角堂や聖天堂も特別公開されています。
普段は拝観できない御仏像に出会える貴重な機会であり、夜の灯りの中で見る仏像は、昼間よりも近く、親しみ深く感じられました。
光が仏像の輪郭を柔らかく照らし、まるで“光そのものが御仏の気配”であるかのようでした。
福岡藩主・黒田家ゆかりの古刹として知られる東長寺。
朱色の五重塔と大仏殿が金と緑の光で照らされる様子は、仏教美術の荘厳さと現代の照明技術が調和した見事な演出でした。
訪れる時間帯や角度によって、まるで違う表情を見せるのも魅力のひとつでした。
東長寺｜アクセス・開催情報・混雑状況
- 所在地：福岡市博多区御供所町2-4
- アクセス：地下鉄空港線「祇園駅」1番出口から徒歩約1分
- 開催期間：2025年10月31日〜2025年11月03日（4日間）※雨天決行
- 点灯時間：17:30〜21:00頃
- 混雑状況：人気の寺院はやや混雑しましたが、それでも待ち時間10分程度でした。
- 入場料：ライトアップウォーク共通チケット（当日券¥2500）
まとめ｜光の中に息づく祈りを感じて
夜の東長寺は、観光というより“心を整える時間”。
光に包まれた五重塔や福岡大仏さまの前に立つと、自然と手を合わせたくなる静けさがあります。
光の中に息づく祈りの気配。その優しさに包まれながら、自分の心の声に耳を澄ませるひとときでした。
年に数日だけの特別な夜。
「またこの光に出会いたい」——そう思わせてくれる、静寂の祈りの場所です。
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🇺🇸 English Summary（英語要約）
During the Hakata Old Town Light-up Walk 2025, Tochoji Temple transforms into a world of gentle lights and quiet prayers. The illuminated five-story pagoda and the serene Fukuoka Great Buddha invite visitors to pause and find peace within. It’s not just sightseeing—it’s a night of mindfulness and tranquility.
