お寺で仏像を見ていると、
「手の形がそれぞれ違う」と感じたことはありませんか?
仏像の手の形には、
それぞれ意味があり、
この手の形を印相(いんそう)と呼びます。
印相を知ると、
仏像が表している意味や役割がわかり、
仏像鑑賞がぐっと楽しくなります。
この記事では、
仏像によく見られる印相の意味や種類を、
初心者の方にもわかりやすく解説します。
印相とは?仏像の手の形が表す意味
印相とは、
仏や菩薩が手で表すポーズのことで、
仏の教えや慈悲、悟りの状態などを象徴しています。
仏像の種類によって印相は異なり、
それぞれに意味があります。
例えば奈良の東大寺の大仏として知られる
奈良の大仏(盧舎那仏) も、特徴的な印相をしています。
このように、
印相を見ることで
仏像の意味を読み取ることができます。
仏像によく見られる印相
ここでは、日本の仏像でよく見られる
代表的な印相を紹介します。
印相比較図

施無畏印(せむいいん)
右手を上げて手のひらを前に向ける形です。

この印相は「恐れを取り除く」という意味があります。
仏が人々に安心を与える姿を表しています。
与願印(よがんいん)
手のひらを前に向けて下に下げる形です。

この印相には「願いを叶える」という意味があります。
多くの如来像で見られる印相です。
与願施無畏印(よがんせむいいん)|施無畏印+与願印
右手が施無畏印、左手が与願印という
セットで表される形。

意味としては、
「人々の願いを聞き届け、望むものを与える」
「救いの手を差し伸べる」
という現世利益的な慈悲を示す印相です。
京都・奈良で見られる代表的例
奈良
・東大寺盧舎那仏(奈良の大仏)
・唐招提寺 金堂 盧遮那仏坐像
・法隆寺 金堂 釈迦三尊像 釈迦如来坐像
・薬師寺 大講堂 弥勒如来坐像
・興福寺 北円堂 弥勒如来坐像
禅定印(ぜんじょういん)
両手を膝の上で組む形です。

瞑想をしている姿を表しており、
悟りを開くための深い精神集中を象徴しています。
座っている仏像によく見られる印相です。
京都・奈良で見られる代表的例
京都
・平等院 鳳凰堂 本尊 阿弥陀如来坐像(宇治)
・仁和寺 阿弥陀如来座像(霊宝館安置・国宝)
奈良
・元興寺 木造阿弥陀如来像
・薬師寺 金堂 薬師三尊の中央薬師如来
説法印(せっぽういん/(転法輪印))
両手を胸の前あたりまで上げ、親指と人差し指で輪を作る形です。
仏が人々に教えを説いている姿を表しています。
京都・奈良で見られる代表的例
京都
・広隆寺 講堂本尊 阿弥陀如来坐像(国宝)
奈良
・薬師寺 釈迦八相像:転法輪像(現代復元像)
印相を見ると仏像の意味がわかる
仏像を見るときに印相を意識すると、
その仏像がどんな意味を持っているのかが見えてきます。
例えば
- 安心を与える仏
- 願いを叶える仏
- 悟りの境地を表す仏
このように印相には、
それぞれのメッセージが込められています。
仏像を見るときのポイント
お寺で仏像を見るときは、
次のポイントを意識してみてください。
- 手の形(印相)
- 持ち物
- 表情
- 服装
これらを見ることで、
仏像の意味や特徴がより深く理解できます。
仏像の見分け方について詳しく知りたい方は
こちらの記事も参考にしてください。
▶︎ 如来・菩薩・明王・天部を見分ける5つのポイント
仏像の種類について詳しく知りたい方は、
こちらの記事も参考にしてください。
▶︎ 【初心者向け】仏像の種類|如来・菩薩・明王・天部を解説
まとめ
仏像の手の形である印相には、
それぞれ意味があります。
- 施無畏印:恐れを取り除く
- 与願印:願いを叶える
- 禅定印:瞑想・悟り
- 説法印:仏の教えを説く
印相を知ることで、
仏像鑑賞はより深く、
楽しいものになります。
お寺巡りをするときは、
ぜひ仏像の手の形にも注目してみてください。
