あなたを守ってくれる仏様・守護本尊とは?意味・ご利益・会える寺院

仏像の鑑賞ポイント

あなたの生まれ年(干支)には、人生を通して守ってくれる「守護本尊(しゅごほんぞん)」と呼ばれる仏さまがいます。
これは日本で古くから信じられてきた開運・厄除けの考え方で、それぞれの干支に対応した仏さまが、災いから守り、心を落ち着け、人生の迷いを減らしてくれる存在とされています。

本記事では、十二支と守護本尊の関係、八体仏のご利益、真言、そして京都・奈良で実際に会える守護本尊 を初心者向けに分かりやすく解説します。


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守護本尊(しゅごほんぞん)とは?

守護本尊とは、生まれ年(干支)に応じて、その人の一生を守り続けてくれる仏さま のことです。
日本では「守り本尊」「守護仏」とも呼ばれ、十二支それぞれに仏・菩薩・如来・明王などが割り当てられています。

この信仰は、中国の密教・陰陽五行・東洋占星術が仏教と結びついて生まれ、日本では真言宗や天台宗を中心に広まりました。

十二支ごとの守護本尊「八体仏(はったいぶつ)」

十二支に対して八体の仏さまが対応するため、「八体仏」と呼ばれます。

● 子(ね)

千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)
▷ 多くの手であらゆる人を救う慈悲の仏

● 丑(うし)・寅(とら)

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
▷ 無限の知恵・記憶力・財運を授ける菩薩

● 卯(う)

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
▷ 知恵や学問を司る菩薩

● 辰(たつ)・巳(み)

普賢菩薩(ふげんぼさつ)
▷ 行動力や忍耐、減罪のご利益がある菩薩

● 午(うま)

勢至菩薩(せいしぼさつ)
▷ 知恵の光で人々を救い、決断力を与える菩薩

● 未(ひつじ)・申(さる)

大日如来(だいにちにょらい)
▷ 宇宙の真理。あらゆる運気を開く根本仏

● 酉(とり)

不動明王(ふどうみょうおう)
▷ 魔除けや厄除け、災難除去の守護神

● 戌(いぬ)・亥(い)

阿弥陀如来(あみだにょらい)
▷ 癒しや極楽往生を司る如来


干支別|守護本尊のご利益一覧

干支守護仏主なご利益
千手観音菩薩病気平癒・災難除け・夫婦円満
丑・寅虚空蔵菩薩記憶力・知恵向上・商売繁盛
文殊菩薩学業成就・判断力アップ
辰・巳普賢菩薩邪気払い・延命・減罪
勢至菩薩災難除け・決断力・家庭円満
未・申大日如来所願成就・悪縁断ち・厄除け
不動明王魔除け・事故防止・勝負運
戌・亥阿弥陀如来癒し・安らぎ・極楽往生

*ポイント*

千手観音菩薩不動明王などは、特に「災難全般」「病気」「事故」などからの守護が強調されています。

虚空蔵菩薩文殊菩薩は、知恵や判断力を授けることで、人生の選択ミスや困難な状況を回避する力をもたらします。

大日如来阿弥陀如来は、人生全体を通じての大きな災厄や精神的な苦しみからの救済、安穏をもたらすとされます。

“真言(しんごん)” 〜守護本尊の聖なる言葉〜

守護本尊には、それぞれ「真言(マントラ)」があります。
唱えることで、より深い守護が得られると伝えられています。

  • 子(千手観音):おん ばざら たらま きりく
  • 丑・寅(虚空蔵):のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか
  • 卯(文殊菩薩):おん あらはしゃ のう
  • 辰・巳(普賢菩薩):おん さんまや さとばん
  • 午(勢至菩薩):おん さんざん さく そわか
  • 未・申(大日如来):おん あびらうんけん ばざら だとばん
  • 酉(不動明王):のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん
  • 戌・亥(阿弥陀如来):おん あみりた ていせい からうん

守護本尊を知ることで得られる効果

自分の守護本尊を知ることで、次のような「心の整理」に役立ちます。

  • 自分の性格の傾向に気づきやすくなる
  • 迷いや不安が減り、決断に自信が持てる
  • 心の拠り所ができ、毎日が前向きになる

守護本尊は、人生のあらゆる場面で 心に寄り添う存在 とされています。


【京都・奈良】公共交通で会いに行ける守護本尊

初心者でも行きやすい代表スポットを厳選。
ご自身の干支から巡るのが最もおすすめです。

子(ね)年:千手観音 — Senju Kannon

▶︎京都・三十三間堂「本尊|千手観音坐像

▶︎奈良・唐招提寺「国宝|千手観音立像」

▶︎京都・清水寺「本尊・十一面千手観音立像(秘仏)」(※特別拝観)

丑・寅:虚空蔵菩薩 — Kokūzō Bosatsu

▶︎京都・東寺の観智院「五大虚空蔵菩薩像」

▶︎奈良・東大寺の大仏殿「虚空蔵菩薩坐像」

卯:文殊菩薩 — Monju Bosatsu

▶ 京都・南禅寺の法堂(本堂)「獅子に騎る文殊菩薩」

▶︎奈良・安倍文殊院|快慶作の騎獅文殊菩薩像

奈良・西大寺「文殊菩薩騎獅(もんじゅぼさつきし)像」

辰・巳:普賢菩薩 — Fugen Bosatsu

京都・南禅寺の法堂(本堂)「象に騎る普賢菩薩」

京都・清涼寺の霊宝館「普賢菩薩騎象像(ふげんぼさつきぞうぞう)」(※特別拝観)

午:勢至菩薩 — Seishi Bosatsu

京都・三千院「【国宝】阿弥陀三尊坐像の勢至菩薩坐像」

未・申:大日如来 — Dainichi Nyorai

京都・ 東寺「立体曼荼羅の中心に座す【国宝】大日如来坐像」

奈良・円成寺「運慶作【国宝】大日如来坐像」

酉:不動明王 — Fudō Myōō

京都・ 東寺「五大明王の中心に立つ守護神ー不動明王」

奈良・不退寺|不動の守護主、不動明王

京都・三千院「【重文】不動明王立像」(※特別拝観)

戌・亥:阿弥陀如来 — Amida Nyorai

京都・平等院鳳凰堂「【国宝】阿弥陀如来坐像」

京都・東本願寺「本尊|阿弥陀如来像」

京都・永観堂(禅林寺)「本尊|見返り阿弥陀像」

京都・三千院「【国宝】阿弥陀三尊坐像の阿弥陀如来坐像」


公共交通を使って京都・奈良を巡ることで、仏像を身近に感じながら、静かな時間を過ごせます。まずは自分の干支に当たる仏さまから訪ねてみてください。

まとめ|会いに行こう

  • 守護本尊は干支ごとに異なる仏さまで、一生を守る存在とされる
  • それぞれ「災難除け」「癒し」「判断力」「開運」など特有のご利益がある
  • 寺院で参拝したり、真言を唱えたりすると、さらに心が整う
  • 京都・奈良には、公共交通で気軽に訪ねられる八体仏が多い

ぜひ、ご自身の守護本尊を知って、そのお寺に足を運んでみてください。きっと、心がすっと整い、日々を支えてくれる存在になるはずです。

守護本尊は、私たちの心にそっと寄り添い、人生のあらゆる場面で力を与えてくれる存在です。忙しい日々の中でこそ、自分を守ってくれる仏様に思いを馳せ、心を整える時間を持ってみてはいかがでしょうか。

ますます「仏像旅」が楽しくなりますね😊


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おわりに|仏像の魅力を、あなたにも

仏像は、ただ鑑賞するものではなく、
やさしさ・強さ・静けさを感じられる“心のよりどころ” です。

あなたが「なんだかいいな」と思える仏さまに出会い、
その温かさが日々の励ましとなりますように。

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