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🔍 拝観ガイド|戒光寺(丈六釈迦如来)
| 拝観場所 | 本堂(通常は外陣から拝観)/内陣特別参拝は本堂内陣 |
|---|---|
| 拝観料 | 通常拝観:無料 + 内陣特別参拝:500円 |
| 拝観時間 | 9:00〜17:00 |
| 内陣特別参拝 | 春期・秋期の年2回 |
| アクセス | 京都駅から市バス「泉涌寺道」下車 徒歩約7分(約15〜20分) |
無料で、しかも貸切で20分。
総高10mの大きな釈迦如来を、
首が痛くなるまで見上げてきました。
京都で運慶作の仏像を
探していて見つけたのが、
戒光寺(かいこうじ)。
通称「丈六さん」と呼ばれる、
泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭です。

じつは前回、
泉涌寺へ向かう途中に
一度参拝していたお寺でした。
でもそのときは「大きな仏様だな」と思っただけで、
ほとんど記憶に残っていなかったんです。
今回は「運慶も携わった丈六釈迦如来」だと
知ってから参拝しました。
すると、同じお寺なのに、
感じ方も満足感もまるで違いました。
この記事では、
その丈六さんとの静かな時間と、行き方、
同じ境内の融通弁財天さんまでご紹介します。
戒光寺(丈六さん)ってどんなお寺?
戒光寺は、
京都・東山にある
泉涌寺(せんにゅうじ)の
塔頭(たっちゅう)のひとつ。
泉涌寺の大きな門を入って、
まもなく左側にあります。

正式には戒光律寺といい、
鎌倉時代の安貞2年(1228年)に創建されました。
ご本尊が
大きな丈六の釈迦如来であることから、
地元では昔から
「丈六(じょうろく)さん」と親しまれています。

門を車がくぐっていく光景は、
私にはちょっと珍しく映りました。
それくらい、
観光地化されすぎていない、
静かなお寺です。
丈六釈迦如来——身代わりの「丈六さん」に会う
本堂に入って、まず圧倒されたのが、
その大きさでした。
柵はありましたが、
近くまで寄れて、
首が痛くなるほど見上げて
じっくり観察できました。
像高は約5.4m、
台座や光背を含めると総高は約10m。

「京の大仏」と呼ばれてもおかしくない、
堂々とした立像です。
この釈迦如来は、
仏像の中でも「如来」と呼ばれるグループの仏様。
如来ってどんな存在?
という方は、こちらでもやさしく解説しています。
▶ 如来とは? 仏像の種類と見分け方ガイド
大きいのに、造りはとても細やか。
とくに爪が長いことが、
妙に印象に残りました。
極彩色の彩色も美しく残っていて、
鎌倉時代の仏像としては珍しい、
宋風(中国・宋の様式)の雰囲気をまとっています。
そしてもうひとつ、
忘れられないのが
首のあたりに残る、血のような跡。
これは、ある人の身代わりになったときの
跡だと伝えられています(伝説は後ほど)。
この日は私のほかに参拝客はおらず、
20分ほど貸切状態。
無料でこんなにゆっくり、
大きな釈迦如来様と向き合えるなんて。
身代わりになられたお姿を前に、
しみじみと感慨深い時間でした。
運慶・湛慶 親子の合作と、「像を入れてから建てた」本堂
この釈迦如来は、
鎌倉時代を代表する
仏師運慶・湛慶(うんけい・たんけい)親子の合作と
伝えられています。
運慶作を探していた私にとって、
まさに会いに行きたかった一体でした。
運慶という仏師の魅力や、
ほかの代表作も知りたい方は、
こちらの記事もどうぞ。
▶ 仏師・運慶ってどんな人? 魅力と代表作ガイド
おもしろいのが、本堂の造られ方です。
建物自体はそれほど大きく感じないのに、
中の釈迦如来はとても大きい。
じつはこのお堂、
先に像を安置してから、
その周りに本堂を建てたのだそうです。

だから、ほかのお寺のような
ゆったりした空間ではなく、
ギリギリのサイズ。
その「収まりきらないほどの大きさ」にも、
心を惹かれました。
かつては国宝でしたが、
お堂から出して像の中を確かめられないことなどから、
現在は重要文化財となっています。
後水尾天皇の「お身代わり」になった伝説
首の血の跡には、
こんな言い伝えがあります。
まだ即位前だった後水尾(ごみずのお)天皇が、
皇位をめぐる争いに巻き込まれ、
刺客に寝首をかかれてしまった——。
ところが翌朝、
天皇はいつも通りに目を覚ましました。
不思議に思い、
日頃から信仰していた
丈六釈迦如来にお参りしたところ、
お釈迦様の喉元から血が流れていたといいます。

「このお釈迦様が、
私の身代わりになってくださったのだ」。
即位後、天皇はそう発願し、
正保2年(1645年)に戒光寺を
現在の地へ移して、
泉涌寺の塔頭としました。
大きくて力強いのに、
誰かの身代わりになる——。
そのやさしさを思うと、
いっそう手を合わせたくなりました。
同じ境内の「融通弁財天」さんにもご挨拶
戒光寺の境内には、
弁財天さまをお祀りする
泉山融通弁財天(せんざんゆうずうべんざいてん)の社も
あります。

こんなにすごい仏様と神様が
一緒にいらっしゃるなんて、
と驚きました。
こちらの弁財天さまは、
伝教大師の作と伝わる秘仏。
ふだんは厨子の扉が閉じられていて、
お姿を見ることはできません。
力が強すぎる弁財天さまなので、
扉が閉まっているくらいでちょうど良い、
とも言い伝えられているそうです。
一般的な弁財天さまは琵琶を持ち、
芸能や学問のご利益で知られますが、
こちらは手が八本ある八臂(はっぴ)像。
古くから商売をいとなむ人が
「お金の融通を」と願をかけたことから、
融通弁財天と呼ばれています。
学業も金運も、
あらゆる願いを聞いてくださるのだとか。
御開帳は、1月の「泉山七福神巡り」と、
11月の「泉山融通弁財天大祭」の年2回です。
戒光寺への行き方と、拝観メモ
戒光寺は、
JR・京阪「東福寺」駅から徒歩約10分。
私は京都駅から
市バスに乗り、「泉涌寺道」バス停で降りて
向かいました(バス停から徒歩約7分)。

※市バス202・207・208は循環バスです。
東向きに走るバスに乗るよう、
気をつけてくださいね。
泉涌寺の門をくぐったら、まもなく左。
これが目印です。
拝観は無料。
外陣からはいつでもお参りできます。
春と秋の「内陣特別参拝」も気になっています
戒光寺では、
春期と秋期の年2回、
「内陣特別参拝」が行われています。

ふだんは入れない内陣に入れていただき、
「京の大仏」とも呼ばれる丈六釈迦如来を、
足元から見上げてお参りできるそうです。
釈迦如来だけでなく、
不動明王像や、
重要文化財の曇照忍律上人坐像(戒光寺を開いた開山のお像)も
間近で拝観できるとのこと。
内陣特別参拝料は500円です。
私が訪れた日は、
外陣からの参拝でした。
奈良・長谷寺の特別拝観のように、足元からの参拝。
ぐっと近づける時間になりそうだなと想像しています。
タイミングが合えば、
次はぜひ、もっと間近で会いに行きたいです。
ちょっと寄り道:レトロ喫茶「コーヒーテラス レモン」
お寺の周りには、飲食店が少なめ。
私は参拝前に、
泉涌寺道のバス停すぐにある
レトロ喫茶「コーヒーテラス レモン」で、
オムライスをいただきました。
お孫さんの赤ちゃんを抱っこしながらの
接客に、気持ちがほっこり。
昔ながらのオムライスにも、ほっこり。

マスターに戒光寺の場所を尋ねると、
「ああ、丈六さんね!
そこの道をまっすぐ行って、
門をくぐったらすぐ左にあるよ」と
教えてくださいました。
地元の方にも「丈六さん」と
親しまれているお寺なんだなと、
ほっこりした気持ちのまま、向かいました。
知らずに行くか、知って行くか——感じ方が変わった話
冒頭でも書きましたが、
私は前回、このお寺を参拝していましたが、
そのときは「大きな仏様だな」で終わってしまい、
記憶にもほとんど残っていなかったんです。
でも今回は、「運慶も携わった、身代わりの丈六さん」だと
知ってから参拝しました。

すると、同じお像なのに、
ひとつひとつの細部が愛おしく感じられました。
長い爪、極彩色、首の血の跡、
像を入れてから建てた本堂——。
背景を少し知るだけで、
心に届く深さがまるで変わる。
そのことを、
戒光寺の丈六さんが静かに教えてくれた気がします。
仏像は、急いで「見る」ものではなく、
ゆっくり「会いに行く」もの。
無料で貸切の20分は、
そう思える、心が整う時間でした。
おわりに
運慶作を探していて、
たどり着いた戒光寺の丈六さん。
大きくてやさしい釈迦如来様と、
融通弁財天さま。
再訪してよかったと、
心から思える参拝でした。
京都駅からバスで気軽に行けて、
拝観も無料。
東福寺や泉涌寺とあわせて、
ぜひ静かなひとときを過ごしてみてください。
戒光寺は、泉涌寺の門を入ってすぐ。
せっかくなら、近くの泉涌寺にも
足を伸ばしてみてください。
美しい楊貴妃観音さまや、伝・運慶作の三尊仏に会えますよ。
戒光寺(泉涌寺の塔頭)|参拝情報
- 所在地:京都府京都市東山区泉涌寺山内町29
- 参拝時間:9:00〜17:00
- 参拝料:無料(特別拝観:¥500)
最新情報や詳しい情報は公式サイトにてご確認ください。
京都の寺社・仏像めぐりのおともに|まっぷる京都 社寺めぐり
京都の寺社や仏像をめぐるとき、
私がいつも持ち歩いているのが
「まっぷる京都 社寺めぐり」です。
コンパクトサイズで持ち歩きやすく、
京都の主要スポットをしっかりカバー。

仏像の見どころや
拝観情報がコンパクトにまとまっていて、
ひとり旅の心強い相棒になってくれます。
はじめての京都旅にも、
何度目かの京都にも頼れる一冊です。
